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2022.08.09

なぜ、エルメスの香水が世界中のエグゼクティブから"別格"と言われるのか?

第一線で走り続けるビジネスパーソンは、リラックスしたい時もあれば、気持ちを奮い立たせ、勝負に挑まなくてはいけない場面もある。本連載「オトコの"香印象"のつくり方」は、自分を効果的に演出する武器でもある香りを上手に纏い、単なる好みではなく、スーツを誂えるように、自分に合う香りを見つける指南書。今回は多層な現代社会を香りで表現するエルメスにフィーチャー。男性美容研究家の藤村岳がシーン別にベストな香りを紹介する。【過去の連載記事】

エルメスの香水「テール ドゥ エルメス オー ジヴレー」

©Florian Joye

メゾンの美学が貫かれた香り

1837年パリに開いた馬具工房をはじまりに、世界最高峰のライフスタイルアイテムを展開するメゾン、エルメス。そのすべてのアイテムの細部に至るまでエルメスの美学が貫かれている。香水もしかり。

「地中海の庭」や「ナイルの庭」、「モンスーンの庭」といった"庭シリーズ"をはじめとして、名香と呼ばれる香りを多く取りそろえているので、纏うだけで、一瞬にして世界各国のさまざまな情景が想起される。大人として経験を積めば積むほど人としての魅力が味わい深くなるように、エルメスの香水も、その人自身の肌がもつ匂いと調和することでより深みのある香りへと昇華されるのだ。酸いも甘いも噛みわけたエグゼクティブたちから愛されて止まない理由はそんなところにもあるのだろう。

今回はメンズのためにつくられた香りが充実している点でも、試しやすいエルメスから3つの香りをピックアップして紹介する。

1.在宅ワークの気分展開に! 「<テール ドゥ エルメス オー ジヴレー> オードパルファム」

ひとつ目の「テール ドゥ エルメス オー ジヴレー」は、大人気の"テール(大地)"シリーズの新作。"氷に秘められた熱"をテーマに香水クリエーション・ディレクターのクリスティーヌ・ナジェルが調香した。氷と熱という相反する2つの概念が、見事に調和している香りだ。これはぜひ、在宅ワーク時の気分転換に使ってほしい。氷と熱の関係は仕事のオンとオフという関係によく似ている。どちらか一方だけでは成り立たず、人生をアクティブに過ごすのに必要な存在。そんな正反対の雰囲気を、生命力あふれるシトロン、ジュニパーベリー、ティムットペーパーの香りと、クールなミネラルとウッディの香りで表現した。その静かなる情熱は、きっとオンラインで会議をしていても相手に伝わるだろう。

2.にぎやかで楽しいひと時に。「<オー ドゥ バジリック プープル> オーデコロン」

もうひとつ、ジェンダーレスに使える香りとして重宝するシリーズ「コロン エルメス」から「オー ドゥ バジリック プープル」をお薦めしたい。こちらは皆でテーブルを囲む、にぎやかで楽しい夏のひと時にぴったり。メインとなるのはハーブとしておなじみの"バジル"。このややもするとありふれたバジルの香りを、高尚なアロマへと変身させたのは、やはり前出の調香師ナジェルだ。彼女がクールソンという街の園芸家を訪ね、出逢ったのが特別な"赤紫色(パープル)のバジル"。一般的には料理のイメージが強いが、豊かな歴史を持つどこかセンシュアルで繊細な植物バジル。それをそのまま表現するのではなく、詩的なアプローチを用いて巧みに表現した。イタリア・カラブリアン産のベルガモットやゼラニウム、スパイスなどとあわせ、軽やかさと温かみが感じられる香りだ。

3.旅や出張の相棒に! 「ヴォヤージュ ドゥ エルメス」

最後にエルメス定番の香り「ヴォヤージュ ドゥ エルメス」をご紹介したい。その名のとおり旅や出張のお供として、これほどぴったりなものはない。ジャン=クロード・エレナの紡ぎ出したこの名香は2010年に発売されたが、その素晴らしさは決して衰えることなく、今なお魅力を放ち続けている。それは、あえて旅している間の高揚感ではなく、旅の余韻とも言える"残り香"に注目して作られたからだろう。ジュニパーベリーやシダー、ホワイトムスクの織りなすレイヤーはフレッシュでありながらも繊細。そしてほのかに憂いがある香り。そして香水ボトルは回転させて使うもので、エルメスの"クルー・ド・セル(鞍の鋲)"があしらわれている。35mlとコンパクトなサイズ感も便利。リフィルも可能で、旅や出張の相棒としてぴったりだ。

エルメスの香水「ヴォヤージュ ドゥ エルメス」

ヴォヤージュ ドゥ エルメス[35ml]¥12,870 ©Studio des fleurs

エルメスの香りが世界中のエグゼクティブから"別格"と称されるのは、こうした香りの層の厚さからだろう。さまざまなシチュエーションにあった香りが揃うエルメス。洗練の極みとも言うべき香りを人生のさまざまなシーンで使いこなしたい。

問い合わせ先
エルメスジャポン TEL:03-3569-3300

男性美容研究家・美容コンサルタント藤村 岳
1973年東京都生まれ。雑誌編集者を経てその後独立。男性美容のパイオニアとして雑誌やテレビなど各メディアで活躍。経営者の個人カウンセリングやコスメのプロデュース、ブランドのコンサルティングも手がける。著書に『一流の人はなぜ爪を手入れするのか?』などがある。

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オトコの”香印象”のつくり方

第一線で走り続けるビジネスパーソンは、リラックスしたい時もあれば、気持ちを奮い立たせ、勝負に挑まなくてはいけない場面もある。本連載「オトコの”香印象”のつくり方」は、自分を効果的に演出する武器でもある香りを上手に纏い、単なる好みではなく、スーツを誂えるように、自分に合う香りを見つける指南書。

TEXT=藤村 岳

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