祇園町南側、お茶屋や料理屋が立ち並ぶ石畳の道から路地へ。街の人たちだけが通るひっそりとした小路に面した町家がある。Galleryの文字に惹かれて格子戸を開けると、モダンな空間と鮮やかな色彩が目にとびこんでくる。ここは、木梨憲武が国内で初めて開いた「KINASHI art gallery GION」だ。木梨憲武の明るく愛情あふれる世界観にグッと引き込まれた。
昨年、京都祇園にギャラリーをオープン
アーティストとしても知られる木梨憲武の作品を展示するギャラリーがオープンしたのは、2021年3月。大々的には告知していないにも関わらず、ファンのみならずアート通が足を運ぶという。
すでにご存知とは思うが、木梨憲武は、ニューヨーク、ロンドンでも個展を開催。キットカット45周年記念パッケージのデザイン、adidasによるラグビー・ニュージーランド代表「ALL BLACKS(オールブラックス)」をテーマとしたアートプロジェクトのメインクリエイターとしても参画するなど、国内外でその才能を認められている。
1994年に名古屋で初個展を開催して以来、国内では9度、30会場で個展を展開してきた。それから27年、京都祇園で自らのギャラリーオープンにいたった。京都祇園の街や風情の美しさに惹かれ、開館に踏み切ったという。
1階は、木梨憲武の作品をモチーフにした手ぬぐいや扇子といったグッズを販売するショップ。2階のギャラリーでは、木梨憲武の作品を販売している。
2022年4月にスタートした展示のテーマは「グラフィック」。アクリル絵の具作品が多い中、今回はグラフィック作品に限定することに。開催にあたって、以前手掛けた作品にもさらに手書きで文字や絵を加え、バージョンアップしたそうだ。
グラフィックデザイナーとコラボした自身の顔をモチーフにした作品や、アルファベットをランダムに組み合わせた「A to Z」など、8点。
どの作品も、見るだけで気持ちが解放されていくような、明るさと優しさと愛がある。
展示作品は購入できるので、気に入ったらぜひギャラリースタッフに問い合わせを。公式HP内にある、2階の様子をリアルに再現したバーチャルギャラリーからも申し込みが可能だ。
1階のショップにも、代表的な作品「お手月 REACH OUT」の立体版画などが飾られ、木梨ワールドを満喫できる。
美しい色彩で花束を描いた「感謝」をモチーフにした手ぬぐい。「REACH OUT」の手をモチーフにしたキーホルダーやバッグなど、ここでしか買えないグッズも多数。特別な京都土産にするのもいい。
八坂神社や建仁寺といった名所からもすぐの場所、東山散策の途中に立ち寄って、木梨憲武の世界観にひたってほしい。
KINASHI art gallery GION
住所:京都市東山区祇園町南側570-8
TEL:075-744-6994
営業時間:10:00~18:00
休日:火曜
公式HPアドレスはこちら
木梨憲武展 Timing -瞬間の光り-
場所:上野の森美術館
期間:2022年6月4日(土)~6月26日(日)