邸宅などの記事を読んでいると理想の住まいへの妄想が膨らむが、その夢を具現化してくれる建築家が気になるものだ。 そこで、ゲーテが選ぶ、12の日本の建築事務所をご紹介!
坂倉建築研究所 坂倉竹之助
Q.理想の家を建てるために必要なことはなんですか?
--施主の方のご希望をできるだけ共有させていただくこと。また、私が設計から完成まで一貫して関わった実際の建物を見ていただくこともお薦めです。
Q.難題だった施主からの要望は?
--ご要望に近づけ、よりよい案にまとめていくことが役割なので、難題と感じたことはありません。細かい使い勝手を考え、いかに居心地よく過ごしていただけるかを常に考えて設計しています。
NAP建築設計事務所 中村拓志
Q.得意とする設計は?
--自然の美しさを引きだす設計と来客をもてなすための設計です。
Q.難題だった 施主からの要望は?
--アラブ某国の王子からの「砂漠に建築物を建ててほしい」というリクエスト。巨大なドームの内部にオアシスをつくり、その中に人々が憩う空間を設計しました。
Q.敬愛する建築家は?
--アルヴァ・アールト。使う人や地域、そして自然への愛が建築に込められているからです。
APOLLO 一級建築士事務所 黒崎 敏
Q.得意とする設計は?
--アートや自然環境と共存するモダンでミニマルな空間。またホテル&ヴィラのような快適な空間設計。
Q.理想の家を建てるために 必要なことはなんですか?
--施主が心地よいと感じるホテルやレストランで設計の打ち合わせを。同じ空間を共有して話し合うとイメージが摑みやすいからです。
Q.敬愛する建築家は?
--ピーター・ズントー。場の特性を深く理解し、静謐でミニマルな空間をつくる設計手法に共感します。
フリーダムアーキテクツデザイン 小室芳樹
Q.得意とする設計は?
--土地の条件を活かしたシンプルな空間に、クライアント個々のテイストを織りこんだ設計。
Q.今まで設計した住宅のなかで、達成感があったものは?
--熱海湾を見下ろす7万坪の土地に建てたセカンドハウス。山を切り拓き、どこに建物を配置するかが重要で、あまり手を加えずに自然の傾斜を活かし、最大限に自然を感じられる空間をつくりました。
Q.敬愛する建築家は?
--安藤忠雄。建物はもちろんですが、 その生き様がカッコいい。
acaa 岸本和彦
Q.得意とする設計は?
--陽光と陰影、そして広がりと籠もり感の均衡が取れた空間をつくること。
Q.難題だった施主からの要望は?
--初老夫婦の終の棲家。物理的要望がなく、代わりに老後の物語を書いた手紙をいただき、感動と同時に自分の人生観や美的感覚などすべてが試されると思い、プレッシャーを感じました。
ディーディーティー 一級建築士事務所 武富恭美
Q.得意とする設計は?
--世界の集落が多様性に富んでいるのは、地域によって異なる気候風土がその一因です。例えば東京、軽井沢など同じ都内、町内でも土地はそれぞれの特性を持っています。そのため、その敷地が持つポテンシャルを最大限に活かした設計を行うよう常に心がけています。
Q.難題だった施主からの要望は?
--磯崎 新アトリエでも担当していたカタールの首長一族がクライアントのプロジェクトは無理難題の連続でした。しかし、Impossible, Difficultではなく、Challengingと楽しめば、解決策は必ず見いだせると思っています。
SUPPOSE DESIGN OFFICE 谷尻 誠+吉田 愛
Q.得意とする設計は?
--常に場所や条件、予算に合わせて、新しい解答を見つけて施主に提案することです。
Q.今まで設計した住宅のなかで、達成感があったものは?
--傾斜地などの悪条件をクリアし、豊かな環境をつくりだせたときにやりがいを感じます。
Q.難題だった施主からの要望は?
--困難が新しいアイデアをつくると思っているので、難題だと思ったことは特にありません。
千葉学建築計画事務所 千葉 学
Q.得意とする設計は?
--一日中家の中で過ごしていても、飽きることがない楽しい家をつくることです。
Q.今まで設計した住宅のなかで、達成感があったものは?
--その土地に眠っていた魅力が、家の完成によって存分に発揮された瞬間と、施主の方が喜んで暮らしていることが何よりの達成感です。
Q. 敬愛する建築家は?
--たくさんいますが、敢えてひとり挙げるとすると、ルイス・カーンです。静かな佇まいと心動かされる空間にいつも感動します。
手塚建築研究所 手塚貴晴+手塚由比
Q.得意とする設計は?
--眺望を活かした設計と構造の工夫によって、最大限の気持ちよさを生みだす設計。
Q.難題だった施主からの要望は?
--施主の要望から発想して形にするのが得意なので難題はなく、屋根の上で食事をするためにキッチンを屋根につくったこともあります。
Q.敬愛する建築家は?
--ルイス・カーン。彼の生みだした建築は、限りなく美しいからです。
彦根建築設計事務所 彦根 明
Q.得意とする設計は?
--土地や法規の難しい条件を裏返して好条件にして問題を解決することです。環境的な性能についても提案することができます。
Q.難題だった施主からの要望は?
--地熱の熱交換を熱源として冷暖房にするという要望。当時は熱交換自体が住宅規模では難しかったため、地下水や蓄熱するタイプの輻 射暖房を用いて代用しました。
Q.今まで設計した住宅のなかで、達成感があったものは?
--施主からの要望で設計に挑戦した、外壁面に直線や平面がない、卵形の住宅。
平田晃久建築設計事務所 平田晃久
Q.得意とする設計は?
--野性的な自然を感じられながら、都会的な雰囲気も併せ持つ空間づくり。
Q.今まで設計した住宅のなかで、達成感があったものは?
--階段でできた住宅、植物のような住宅、庭が 積層された住宅など、どれも今までにないようなもので、やりがいがありました。
Q.敬愛する建築家は?
--ミケランジェロ・ブオナローティ。他の追随を許さない立体感のある空間造形力には、思わず魅かれてしまいます。
藤本壮介建築設計事務所 藤本壮介
Q.得意とする設計は?
施主の希望やライフスタイル、敷地条件などから、ユニークで、それでいて普遍的な住宅をつくりだすことを得意としています。自然と建築、内部と外部、プライベートとパブリック、シンプルさと多様さなど、一見相反する価値を融合して、住宅に昇華させることを常に考えています。
Q.敬愛する建築家は?
ル・コルビュジエ。20世紀初頭に、新しい建築を切り開いた構想力とともに、常に人間のための場所を考え続けた点に共感します。そして、彼の建築は、訪れるたびに予想を超えた発見と驚きがあります。
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