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2022.11.05

『水曜どうでしょう』出演、クリエイティブオフィスキュー会長の、北海道の森を開墾した広大な邸宅とは

かつて夢見た暮らしをかなえた仕事人たちの家は、浪漫に溢れている。その家づくりのスケール感はもはや、大人の壮大な遊びなのだ。今回紹介するのは、クリエイティブオフィスキュー会長であり、『水曜どうでしょう』(HTB)など数々の番組の企画・出演に携わる鈴井貴之氏の邸宅。【特集 浪漫のある家】

鈴井貴之氏邸宅

ツリーハウスは、母屋の2階から吊り橋でつながっている。ツリーハウスを手がけたのは、『水曜どうでしょう』にも登場した建築工房らくだの千葉英希氏。

クリエイティブオフィスキュー・鈴井貴之「クリエイティブに向き合える場所」

札幌からクルマで約90分、北海道の中部に位置する赤平市。映画監督で、TEAM NACSなどを輩出したクリエイティブオフィスキューの創業者である鈴井貴之氏は11年前から、札幌と赤平の2拠点で暮らしている。

「都会の人間からは、なんでわざわざ田舎に、なんて言われましたね。けれど作品をつくること、面白い企画を考えることって、場所を選ばない。どこにいたっていいんです。大泉洋をはじめ、東京での活動を続けるTEAM NACSのメンバーがいつでも帰ってこられる場所をつくりたい気持ちもあり、僕はどーんと北海道の原野に腰を据えて自分の活動をすることにしました」

鈴井貴之氏邸宅 露天風呂

ツリーハウスを望む露天風呂。冬は雪を、秋は紅葉を眺められる。

鈴井貴之氏邸宅

光が差しこむ母屋と、手前は母屋につながるガレージ。

赤平に6600坪もの広大な森を購入、熊笹を刈り、木を切り倒し、文字どおり開墾するところから家づくりは始まった。当初は母屋だけだったが、年々増築を重ね現在は、吊り橋で母屋とつながるツリーハウス、2つの離れ、ドッグランに露天風呂、サウナ、2階建てのガレージ、カーポート、さらにフットサルコートに畑や池と設備は増え続けている。

「せっかくある土地、面白いことをやってみたい、遊びに来る人にも楽しんでもらいたいとアイデアが湧きでてきて。ツリーハウスは、業者の方と話しているうちに『絶対面白い!』と。ゲストが喜んで泊まっていきますよ。風が吹くと揺れて怖いみたいですけど(笑)」

鈴井貴之氏邸宅

2階建てのガレージ。2階にはスターウォーズグッズやミニカーが。

鈴井貴之氏邸宅 ガレージ

ガレージ1階にあるのは、3輪の電気自動車トライクとカブ。

ガレージには窯があり、冬でもBBQができるようになっているほか、趣味のミニカーやプラモデルがぎっしり。さらに現在は、沢遊びや釣りをするため、沢に降りる道を開墾中だという。エンタテインメント性溢れる仕かけがまだまだ増える予定だ。

「大きなものはプロにつくっていただいていますが、自分で土木作業もやっています。それまでは創作って何かを退けたり、壊さないと始められないと思っていました。けれど、この何もない原野では、つくりだすことだけを考えられる。それってすごく健全なことだということに気がつきましたね」

鈴井貴之氏邸宅ツリーハウス

ドッグランから眺めたツリーハウス。螺旋階段を登ると木の上にたどりつく。

鈴井貴之氏邸宅

ツリーハウス側から見た母屋。「業者の方が民家に吊り橋をつくったのは初めてだと笑っていました」

もともと赤平生まれの鈴井氏。夕張市の財政破綻を受けて、これまで札幌に住みながらも赤平市の会議に出席し、再生事業にも関わってきた。

「けれど会議が終わったら、そのまま帰っていく。これでは言っていることに説得力がない。住んでちゃんと仲間として認められたいと、この地を選んだんです」

移住してからは、『水曜どうでしょう』や、制作したドラマ『不便な便利屋』の撮影を自身の赤平の土地で行い、現在は全国からファンが「聖地」として赤平を訪れるようになった。

鈴井貴之氏邸宅 ドッグラン

自ら人工芝を敷いたドッグラン。このドッグランで走り回っているので健脚。「獣医さんに、人間でいったら競輪選手並みと言われました」。奥にはサウナと露天風呂。

鈴井貴之氏と愛犬

愛犬たちと。大型犬たちが、小型犬を鷹や狐などから守ってくれる。

「北海道では、多くの田舎が限界集落となり、忘れ去られようとしています。赤平はかつては炭鉱で栄えた街です。こういう街があったからこそ、現代の繁栄がある。忘れ去られていくのがシャクで、この地で作品をつくっているんですよ」

現在、新たに赤平を舞台にした作品や企画を準備中だという。

「僕は都会が大好きでネオンがないと生きていけない人間でした。けれど今では草刈りしている間が一番アイデアが浮かぶんです。それに田舎にいると、『雪が降る前に、ここを更地にして、来年の春からあれをつくろう』とか、先々のことを考えて動かないといけない。そういう姿勢になれるって、作品づくりにもとてもプラスになるんです」

鈴井氏を整え、その創作意欲に消えることない火を灯す、それがこの地と、この家なのだ。

創作意欲を掻き立てる! 邸宅の細部をウォッチ

鈴井貴之氏邸宅

リビングにある暖炉。薪は常に自身で用意している。

鈴井貴之氏邸宅

暖炉の煙を排出する煙突。冬は積雪が多く、10年で3回も折れたという。

鈴井貴之氏邸宅

母屋からつながるガレージの2階には青い壁、青いインテリアを置いた「青い部屋」が。

鈴井貴之氏邸宅

さらに、黄色いものだけを置いた「黄色い部屋」も。「黄色い部屋には、ふなっしー、プーさん、HTBのキャラクターonちゃんがいます」

鈴井貴之氏邸宅

キッチンは家電や調理器具をすべて隠せる棚に収納。

鈴井貴之氏邸宅

現在5頭の愛犬と暮らしており、ソファの端はかじられないよう自作のカバーをかけている。

鈴井貴之氏邸宅

吹き抜けにして天井を高く、解放感のある空間にこだわった。

鈴井貴之氏邸宅

自ら土木作業をするための重機。

鈴井貴之氏邸宅

現在、水は山の上からひいたものをタンクで貯めて使用している。敷地内を流れる沢の水を使用するべく、現在濾過装置を製作している。

鈴井貴之氏邸宅

玄関に向かう石畳は自身で設置。

DATA
所在地:北海道赤平市
敷地面積:21,818平米
延床面積:増築を続けているため
不明
設計者:建築工房らくだ/ゼストシステム ほか
構造:木造

Takayuki Suzui
1962年北海道赤平市生まれ。『水曜どうでしょう』(HTB)など数々の番組の企画・出演に携わる。映画監督として現在まで4作のメガホンを執り、赤平を舞台としたドラマ『不便な便利屋』(TX/2015)では脚本・監督を務めた。鈴井貴之 作・演出・出演舞台 OOPARTS Vol.6「D-river」DVD 好評発売中! ¥4,378 https://cuepro.office-cue.com

【特集 浪漫のある家】

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=廣瀬順二

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