GOURMET

2025.01.21

エグゼクティブ御用達、リニューアルした銀座の会員制社交場「CITY CLUB OF TOKYO」に潜入

会員制倶楽部は、多忙なエグゼクティブが集う特別な“サードプレイス”。“鎧”を脱いで寛ぐ秘密の隠れ家でもある。銀座に誕生した新生「CITY CLUB OF TOKYO」は、ほどよい距離感のサービスと美食で会員を迎えている。その“秘密の扉”を開ける鍵は、あなたが持っている――。

「CITY CLUB OF TOKYO」のラウンジ
ラウンジは、倶楽部会員がふらりと銀座に立ち寄って、グラスを傾けたりピアノの生演奏を聴いたりしながら寛げる場所。また、仕事の打ち合わせをしたり、ひとり企画書をつくったりと、思い思いの時間を過ごすことができる。

安心のプライベート空間で最高の美食を堪能

人は会員制倶楽部に何を求めるのか――。エグゼクティブが自身のグローバルネットワークを広げる。特別感のあるレストランで大切な商談相手をもてなす。あるいはバーでグラスを傾けながら心と身体を解放する。会員制倶楽部では、確かに、このすべてがかなう。

だが、おそらくその本質は“このうえなく上質の、豊かな時間”が自分のものとなることだろう。前述のシーンは、その“本質”に付随するものといえる。仕事場でも、自宅でもない会員制倶楽部という“第三の場所”は、自身が認められ、そのコミュニティのなかで、さらなる“新しい扉”が開かれる場所でもあるのだ。

去る2024年11月、銀座の地に開業した「CITY CLUB OF TOKYO」は、“自身が求める心地よさ”に寄り添ってくれる会員制倶楽部だ。長く赤坂でサービスを提供していたが、2021年に銀座に移転。そして2024年、銀座における会員制施設の新たなシンボルとして、場所を変え、スケールアップして生まれ変わった。

標榜するのは「グローバルネットワーク社会において重要な役割を果たすこと」で、快適な空間や雰囲気、パーソナルなサービスを提供し、最高の美食やエンタテインメントを約束してくれる。安心・安全なプライベート空間の中で、リラックスして過ごせるのが嬉しい。

「CITY CLUB OF TOKYO」のエントランス
エントランスはシックで落ち着いた雰囲気。

会員制倶楽部の魅力のひとつは、さまざまな職種や異なる世代の人々に出会え、自分の世界が広がるところにもある。例えば、バーで顔見知りになったとしたら、“倶楽部会員”であることで互いに安心感を抱き、仕事やプライベートの会話が弾むこともあるだろう。食やゴルフ、クルージングなど、共通の趣味の話に花が咲き、新たな交友関係が生まれるかもしれない。

また、自分になじみのない職種の話には、興味を覚えることもあるはずだ。倶楽部会員はそれぞれの職業においてのエキスパートであることが多い。例えば先進医療や投資についてなど、普段はなかなか聞けない話を耳にし、知的好奇心が刺激されることも。いや、もしかしたら、それが互いのビジネスチャンスになることもあり得るのだ。

新たな人間関係で広がる視野とビジネスチャンス

世代間の人間関係が希薄になってきている現代においては、会員制倶楽部は損得なしに新たな関係を築ける場所でもある。若い世代なら、先達の粋な振る舞いに学ぶこともあるだろうし、親しくなれば頼りになる相談相手にもなり得る。一方、年配者であれば、若い世代の感性からさまざまなインスピレーションを受けることも多いだろう。支配人の大瀬隆信氏はこう語る。

「当倶楽部で新たな関係を築き、楽しそうに過ごされてる会員様は多いですね。当倶楽部は、何よりプライベートを尊重します。皆様、来訪の目的はそれぞれ異なりますが、常にリクエストにお応えできるよう、そして安心してお過ごしいただけるよう、寄り添えたらと思っています」

支配人の大瀬隆信氏
支配人の大瀬隆信氏は”温かくも折り目正しいサービス”が信条。グランメゾンの「トゥールダルジャン 東京」で支配人を務めた、接客の極意を知る人物。「商談など、敢えて席を外すこともあります」。

それにしても驚かされるのは施設の充実ぶりだ。3フロアのうち、レストランだけでもフレンチ中国料理鉄板焼き、石窯料理、天婦羅、日本料理など実にバラエティ豊か。ミュージックバーやラウンジ、シガーバーもあり、何度訪れても飽きない工夫が凝らされている。

ひとりで英気を養いたい時やビジネスの重要な会合など、会員制倶楽部は、あらゆるシーンに対応する味方だ。その場所はエグゼクティブにとって最上の価値がある。

要望には常に「イエス」。会員の想いに寄り添う

新生「CITY CLUB OF TOKYO」の特色は、なんといっても食のレベルの高さだろう。それがつぶさにわかるのがフランス料理の「Miyazaki」だ。総料理長の宮﨑修氏はパリの「ルキャ・キャルトン」や銀座の「ベージュ東京」などで腕を振るった人物で、端正でエレガントな正統派フレンチの伝承者でもある。

例えば、宮﨑氏のスペシャリテ「キャビア・オシェトラ ウッフ・ア・ラ・ネージュ」は“キャビアを堪能するための一品”で、奥久慈卵のコクと甘み、キャビアの塩気が相まって、まろやかな余韻が長く残る。味つけはキャビアの塩気のみ。これにカリカリのクルトンを合わせ、多彩な食感を演出している。この味にハマり、必ず毎回オーダーするリピーターも多いという。

「メイン素材はキャビアと卵だけ。お客様には『潔い料理だね』と言われます(笑)。何を食べたのか、きちんと記憶に残る料理を作りたいと思っています」

そう語る宮﨑シェフ。料理の基本はコースだが、「今日はちょっと軽めに、サラダとメインだけで」、「今日は魚が食べたい」など、その日の倶楽部会員の体調や気分によって、リクエストに応えてくれる。

「お客様には自宅にいるように寛いでいただきたい、と思っています。ですので、『CITY CLUB OF TOKYO』では、お客様の要望にNOと言いません。もちろん、できないこともあります。そんな時は必ず代替案を考えて、お客様にご相談します」 

会員制倶楽部は大切な仕事相手の接待や商談も多い。自分たちも何か役に立てればと、ホストの立場になって考えるのだという。また、倶楽部会員の要望によっては、会合などのメニューを考える際、フランス料理のコースに中華など他のジャンルの料理を組みこむこともあるというが、それも、“7つのレストラン”という層の厚さがあってこそ。これもまた、倶楽部会員のあらゆる要望に応えたいという想いからだ。

「仕入れは、各店舗の料理長が、それぞれの考えで行っています。例えば鮨ならどんなマグロや穴子が欲しいのか、中華ならどこのフカヒレや鮑が理想なのか。各々が会員制倶楽部のなかのレストランではなく、“自分の店”のように最高の料理を目指しています。これも、この倶楽部の特色だと思います」 

ちなみに、各レストランの料理長は名店出身の実力派ばかり。さまざまな料理を“ちょっと秘密”の落ち着いた空間で堪能することができるのも、ここならではの楽しみだ。

また、驚かされるのがワインセラーのラインナップだ。「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ」のマチュザレムボトル(6ℓ)や「シャトー・ラフィット・ロートシルト 1902」など、5大シャトーのバックヴィンテージがずらりと並ぶ。

もしこれらがオークションに出品されたとしたら、世界のビッグニュースになるだろうと想像できるような銘醸ワインばかり。セラーは常に11℃から12℃に保たれ、コンディションも万全だ。

「ここにしかない銘柄やヴィンテージも多いので、ワイン会などでお役に立てれば嬉しいですね」(大瀬支配人)

「CITY CLUB OF TOKYO」のカーヴ
「シャトー・ラフィット・ロートシルト 1902」年や「オーパス・ワン 1984」年など、カーヴでは希少なワイン4000本を保管。ボルドーやブルゴーニュなどの銘醸ワインが多い。

大切な接待の時など、特別なワインは重要な役割を果たす。接待相手の生まれ年のヴィンテージなども、もしかしたらあるかもしれない。ワイン好きならワクワク感が止まらないはずだ。

何より、会員制倶楽部のよさは、折り目正しくもさり気ないサービスにある。アレルギーの有無やその日の体調、好みまで把握するだけでなく、時に家族のように温かく、時にバトラーのように誠実に寄り添ってくれる。この特別感は倶楽部会員だけの特権なのだ。

新しい発見や喜びにつながるその扉は、すぐそこにある。

TEXT=安齋喜美子

PHOTOGRAPH=筒井義昭、太田隆生

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