北海道にルーツを持つシェフの活躍に注目が集まっている。卓越したセンスと技術、そして随所に北国の食材や食文化を盛りこんだ料理で、輝かしい未来を切り拓く。今回は、東京・代々木の「KINO_(キノ)」を紹介する。【連載 仕事に効くレストラン】
北海道のミシュラン一つ星シェフによる“蝦夷フレンチ”とは
ビジネス会食での会話のネタは多ければ多いほどいい。食通の相手であれば、共通の趣味の話と同じぐらいグルメ話にも花が咲く。実りある時間を過ごすなら、親しみやすさのなかにさり気なく遊び心を盛りこんだ料理を楽しませる代々木の「KINO_」がお薦めだ。
北海道で生まれ育った店主の木下雄介さんは、道外のホテルなどで腕を磨いた後に札幌「lien」のオーナーシェフに。北海道の食に精通している人ならば「あのシェフが東京に!?」と驚くはずだ。
ジビエや魚など道産の旬の食材をふんだんに使ったクラシカルなフレンチでミシュランガイド北海道版の1つ星を獲得。すでに知名度は全国クラスであったが、それでも「いつか東京で勝負する」という夢をかなえるために上京を決意した。
新たに熟考を重ねたコースは10品前後が登場。真イカのなかに旨味豊かなウニのリゾットを詰め、バターのコクを生かしたブールブランソースの隠し味に塩辛を使ったスペシャリテの「いかめし」も健在。これからの季節は、得意のジビエ料理でもその手腕を発揮する。
軽やかで伸びやかな技術と発想力が光る“蝦夷フレンチ”で、東京でもさらに飛躍すること間違いなしだ。
KINO_/キノ
住所:東京都渋谷区代々木1-37-4 長谷川ビル1F
TEL:03-6826-9608
営業時間:12:00~/13:00~、18:00~/19:30~
定休日:月・隔週火曜、そのほか不定休あり
座席数:カウンター8席、テーブル10席
料金:¥19,360
instagram:@kino_yoyogi