2023年9月8日(金)にオープンした「札幌ジンギスカン 羊八」。希少な羊肉を手軽な価格で食べられるという挑戦に満ちた新店は、ジンギスカンの新たな可能性を感じさせてくれた。
究極の羊肉を、手頃な価格で提供する挑戦
リーズナブルな羊肉を使って楽しむ大衆系ジンギスカンとは一線を画す、希少な羊肉を使いながらも、適正価格に挑戦する「札幌ジンギスカン 羊八」が誕生した。柔らかく上質な羊肉なだけあって、もちろん値も張る。だが、「たくさんの人に美味しい羊肉の味わいを知ってほしい」という志を持ち、日夜奔走している店主・東原裕一さんが、肉の質を追求しながらも、価格を抑えた多彩なメニューを考案している。
店内には店員さんとの会話を楽しみながら食事ができるカウンター席15席のみ。1番の売りは、国内流通1%未満しかない希少な国産羊肉を、直接北海道内の羊飼いの方々から新鮮なチルドの状態で仕入れていること。注文すると、目の前で手切りでカットしてくれるので最高の状態でいただけるというわけ。
メニューを見ると、心が鷲掴みされる一品料理の数々が。臭みがまったくなく新鮮な味わいの「生ラム ユッケ」(¥1,600)に始まり、燻製数の子をチーズと組み合わせた伊原水産の「カズチー」、ヘルシーな「ひつじ水餃子」(¥700)やパクチー山盛りの「よだれ羊パクチー盛り」(¥700)といった酒の肴にうってつけな羊肉料理に胸躍る。ジンギスカン専門店だが、箸休め的な居酒屋メニューがあるのもいい。
ホゲット、ラム、マトンを食べ比べ!
メインディッシュである羊肉は、選りすぐりの3種。北海道産でクセが少なく希少な「ホゲット」、羊独特の香りが控えめで柔らかい「ラム」、そして羊ならではの独特な香りでクセがありながら、肉質がしっかりした「マトン」を用意している。羊肉の中でもどれが自分好みなのか食べ比べしてみると、案外クセが好きだったりなんてことも。
この日は、北海道産「えこりん村ホゲット」、オーストラリア産の「ラム オブ タスマニア」と「ニューサウスウェルズマトン」の3種が揃っていた。ひと皿目は店員さんが目の前で焼き方を指南しながら焼いてくれる。よくジンギスカンでもラードや牛脂などを使うそうだが、ここではオーダーした羊肉の側面の脂部分を下にして、焼きながら脂を下へと流すスタイル。上質な羊肉から出る脂もまた上質だ。この後に焼く野菜に、脂の旨味が染み込んでコクが出る。
羊肉はヘルシーかつ高タンパク
ジンギスカンや焼き肉を食べる時、やっぱり気になるのは脂。年々ヘルシー志向にはなるけれど、そこはご安心を! 羊肉の脂は、融点(固体が液体になりはじめる温度)が高く、腸で吸収されることなく体外へ排泄される。しかも、羊肉は脂肪燃焼を促すLカルニチンを豊富に含み、高タンパク。心置きなく、味わえるありがたさよ。
実は、ジンギスカンといえば定番の「もやし」は出てこない。「羊八」では、美味しく野菜をたくさん食べてほしいという想いから、北海道に限らず各地から季節の美味しい野菜を仕入れている。通年の仕入れを目指している、糖度の高さと食感のよさが随一と言われる「柳蓮田蓮根」があればラッキー! 十勝産マッシュルームやみずみずしいナスなど、羊の脂とマッチするように野菜もカットしているそう。
豊富なメニューの中から、最後の締めにぜひ食べてほしいのは「オホーツクの塩バターラーメン」(¥800)。背徳感はありつつも、すっきり透明なスープが胃袋に染みわたる。
ジンギスカンというジャンルの新時代の幕開けと言っても過言ではない。より美味しく、より手軽に、より楽しくいただける、カウンタージンギスカンの聖地となる未来も近い。
札幌ジンギスカン 羊八 三軒茶屋店
住所:東京都世田谷区三軒茶屋2-14-1 ダイニングビル1F
TEL:080-7676-8354
営業時間:17:00〜23:00
定休日:年末年始