美食を追求する秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が選ぶ、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2023」。食の悦びを教えてくれた原点を紹介する。今回は東京・清澄白河の「静龍苑(せいりゅうえん)」。
秋元康「女将さんの笑顔とタン塩に思い出がフラッシュバック」
下町で肉好きに愛されて来年で50年。今では全国からファンが殺到する『静龍苑』には、タン塩やユッケなど“看板肉”が多数あるが、一番の名物はなんといっても店を切り盛りする女将。古きよき昭和焼肉にとどまらず進化する店には、ここにしかない“味”がある。
秋元 焼肉は心浮き立つ一大イベントだ、ということを思い出したのが『静龍苑』です。
中田 全然、予約が取れないんですよね。僕もずっと気になっていました。
秋元 予約は毎月15日の10時から翌月分を取っていて、電話回線がパンクしたことがあるというからすごいよね。それで2022年、佐久間(宣行)や食べるのが大好きなメンバーでうかがったのだけれど、美味しかったし、とても楽しかった。
見城 名物はあるの?
秋元 塩物のなかでも、タンは人数分を一回しか注文できないんです。女将さんが、ミノもあるけれど、どう? みたいな感じでオーダーを取ってくれて。飲食店は必要以上に事前リサーチをしないほうが楽しいけれど、ここは頼み方とか、多少予習していくのがお薦めです。
小山 元気な女将さんがいる焼肉店は間違いないですよね。
秋元 同感。昔、フジテレビが河田町にあった頃、『ドンキィ』(閉店)という焼肉店があって、先輩たちによく連れていってもらったのをふと、思い出しました。女将さんがいて、食べ盛りの僕たちはわーっとお肉を焼いて。焼肉って少人数やデートもいいけれど、やっぱりみんなで集まって網の上で異種混合の格闘技みたいに楽しむのもいい。網の上にのせた肉を我先に、という熱気に満ちていて、昔みたいな量はさすがに食べられないけれど、焼肉は一大イベントだなと改めて感じました。
見城 まさに原点回帰の店だね。
秋元 昭和のノスタルジーを残しながら、少しずつ変化という名の進化をしていると思うんです。熱々のご飯にのせて食べるユッケも最高だったし、タレの赤身肉ももっと食べたい。女将さんにもまた会いに行きたいので予約、頑張ります(笑)。
静龍苑/Seiryuen
毎月15日の10時から翌月分の予約を受け付ける。来店時は人数が揃ってからすみやかにオーダーを。初来店の場合は個室の指定不可。混雑時は2時間制。
住所:東京都江東区常盤2-14-11
TEL:03-3632-2348
営業時間:16:30~21:00(最終入店)
定休日:水曜、不定休あり
座席数:36席 個室2室(4~8名)※現金のみ。電子マネーを含むクレジットカードの利用不可。
この記事はGOETHE2023年8月号「総力特集:号泣レストラン」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら