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GOURMET

2023.10.04

香港から逆輸入された注目のレストラン「CENSU TOKYO」に潜入

東京・渋谷区神宮前に2023年7月にオープンしたレストラン「CENSU TOKYO」。国内だけでなく海外からのゲストも訪れるなど毎夜賑わいを見せる新店に潜入した。

「CENSU TOKYO」

香港で人気を集める“IZAKAYA”

東京・渋谷区神宮前に2023年7月にオープンして食通の注目を浴びる「CENSU TOKYO」は、居酒屋ならぬIZAKAYA。香港で高感度なグルメスポットとして人気を集める “IZAKAYA”は日本の居酒屋が現地の嗜好に合わせて進化したダイニングで、2021年6月にオープンした「CENSU」はそんな香港のIZAKAYAを代表する一軒だ。

2021年といえばコロナ禍で街が静まり返っていた時期だが、「CENSU」はそんな逆境下でも初年度から黒字を達成したほどの人気店。オーナーの佐藤峻氏は日本の居酒屋やフランス料理店を経て海外へ渡り、シドニー、ロンドン、香港の星付きレストランで腕を磨いた経歴を持つ料理人である。本店の開業時から佐藤氏の右腕として活躍し、「CENSU TOKYO」を率いる金須郁幸氏もまたフレンチ出身で、東京の2つ星「タテルヨシノ」(現在閉店)で修業した腕の持ち主だ。

「CENSU TOKYO」
佐藤峻氏(右)、金須郁幸氏(左)。

そんな彼らが立ち上げた「CENSU」の魅力は、幅広いジャンルでの経験を活かした新感覚のメニュー。フレンチ出身の彼らはソースのアレンジも得意で、例えば刺身には醤油の代わりに、トマトとハラペーニョを加えて2日間寝かせた自家製ポン酢などを使用している。

花の中に帆立、海老、3種のチーズを詰めて揚げた「花ズッキーニの天麩羅」には、ポートワイン、マッシュルーム、トリュフで作った濃厚なソースがたっぷり添えられる。ポートワインとキノコの香りが芳醇なソースは、余ったらバケットにつけて楽しむこともでき、ナチュラルワインが進むこと必至だ。

やみつきになる新感覚の味わい

「CENSU HONG KONG」のオープニングもサポートした金須郁幸氏が腕を振るう「CENSU TOKYO」は、外苑西通りの国立競技場手前にある希望の広場の交差点から一歩入った路地に面している。外観には香港と同じくルーバーやネオン管をあしらい、インテリアには日本の杉材を多用。唐草模様を施した吊り天井など、デザイナーの松岡善之氏による遊び心のあるデザインが楽しげな空気を醸し出している。

料理も現在は香港本店とほぼ同じで、メニューはアラカルトや、シェフがアラカルトを組み合わせてくれるコース「おまかせ」(梅:8800円、竹:11800円、3杯のワインペアリング付きの松:14800円)を用意。1階のカウンター席は18時からと20時15分からの入れ替え制となっている。

まず注文したい前菜「ドランケンクラム」は蛤を紹興酒、梅酒、ウイスキーに漬け込んだ “酔っ払い貝”で、桜の葉をインフューズしたソースとネギのオイルがさわやかな風味を持つ逸品。

香港でも大人気の一皿「キャラメルコーン」は、メニュー名の通り“キャラメルコーン”をイメージしたトウモロコシのフライ。ジューシーなトウモロコシは、カラッと揚げた表面に絡むブラウンバターとスターアニスのソースの甘旨さが癖になる。

〆に多くのゲストがオーダーする「海南チキンパエリア」は、お馴染みの“海南チキンライス”をアレンジした本店と共通の人気メニュー。豪快な足付きの鳥取産美桜鶏は、スパイスやハーブを合わせたタレでマリネして3日間ドライエイジングさせてからローストしているため、しっとりした身には程よい塩気があり、皮はパリパリ。パエリアは帆立出汁にパンダンリーフ、ガランガー、レモングラスなどのハーブを加えて炊かれていて、スペイン料理でもエスニック料理でもない新感覚の味がやみつきになる。別添えの濃厚なスプリングオニオンのソースは、鶏肉に付けるもよし、ご飯に加えて味の変化を楽しむもよし。

香港から逆輸入される形で上陸したIZAKAYAのコースは、親しみやすくてキャッチーな味のオンパレード。気心の知れた友人との集まりにぴったりの一軒だ。

CENSU TOKYO
住所:東京都渋谷区神宮前2-12-9
TEL:03-6434-5883
営業時間:18:00〜L.O.22:00
定休日:日曜日・ほか不定休あり(詳細はSNSで要確認)

TEXT=小松めぐみ

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