日本には四季折々の旬の食材があり、その味わいを通して季節を楽しむ文化が根づいている。今回、中田英寿が手がけた「HANAAHU TEA(ハナアウ ティー)」も季節とともに変化する日本人の感性、そして食事との相性を追求した食中茶に仕上がっていた。
食事に寄り添う日本茶「HANAAHU TEA」
春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり──鎌倉時代の僧・道元の和歌が今も古く感じられないのは、四季折々の美に触れることに喜びを感じる日本人の心が今も昔も変わらないからだろう。桜や紅葉を観賞したり、旬の食材を味わったりと季節の移ろいを楽しむ感性は、日本のさまざまな文化の土台となっている。
「HANAAHU TEA」は、そんな日本特有の季節感を表現した食中茶のブランドだ。日本の風土で育まれた風味豊かな茶葉に季節感を与えるのは、匠の技を持つ職人たちの焙煎とブレンド。
例えば春をイメージした「KUSAWAKABA(草若葉)」(写真左)は、茶葉の焙煎の度合いとブレンドの比率を工夫することで、春らしい華やかさと優しい苦味が表現されている。そのキレのある味わいと清涼感のある香りは、魚介の酢の物や、バジルの冷製パスタのような“青味”のある料理と抜群の相性。
一方、「AKIZAKURA(秋桜)」(写真右)は、実りの秋にふさわしい豊かな味わい。深みのある華やかな焙煎香と爽やかな旨味は、サクッとした天ぷらや出汁の旨味が染みた煮こみ料理にぴったりと寄り添う。渋味は優しく、口当たりは柔らかく、長い余韻も楽しめる。
2022年秋に展開予定のお茶はこの2種だが、今後はさらに種類が増えていく。熟練の職人が努力を重ね、「夏の涼やかな味わい」と「冬の柔らかな苦味」の表現に取り組んでいるという。
季節を慈しみ、食事とともに楽しむ「HANAAHU TEA」。日本茶の新しい時代を創る食中茶は、既に料理人の間で評判だ。