GOURMET

2022.06.17

てんぷら茂竹|知る人ぞ知る、銀座に潜む看板のない老舗天ぷら店

食に対して尋常ではない情熱を傾ける、秋元康小山薫堂、中田英寿、見城徹が厳選したとっておきの店を紹介する、最強のレストランガイド「ゲーテイスト2022」。伝統に敬意を払いながら常に進化。四季折々の食材を美しい料理に昇華する和の匠の技に酔いしれる。【Part2:和の神髄】

茂竹

鮪。上質な赤身を大葉で包み、芯をレアに揚げた名物。

小山薫堂「最高級の胡麻油で揚げる天ぷらと家族経営のほっこり感がいい」

大正3年創業の老舗天ぷら店。夜はコースが2種。店の味を支える「関根油店」の胡麻油は江戸時代から伝わる玉締め搾り技法の最高級品。

 最近、銀座の若旦那的な人たちに連れていってもらって、こんな店があったのか!と驚いた老舗の天ぷら店です。看板を出していなくて、知る人ぞ知る店。比較的予約も取れます。

 本当に? 天ぷらを食べたくなったら行けるのがいいね。最近は予約何ヵ月先とかばっかりで、なんだかなという感じだから。

茂竹

筍(たけのこ)、蕗薹(ふきのとう)、コゴミ、アスパラガス(料理はすべて¥26,400のコースの一例)。

茂竹

ふっくら揚がった小肌。ポン酢、レモン汁、もみじおろしと葱でいただく。揚げ油は昭和14年創業の「関根油店」の非加熱の胡麻油100%。添加物不使用の最高級の胡麻油で、甘く柔らかな香りが特長。

 天ぷらは大葉で包んだ鮪とか、小肌とか、面白いネタを揚げてくれるんですよ。一緒にいただくレモンサワーも美味しいです。

 老舗だけど、新しいことをやっていていいですね。ご主人は何代目ですか?

 4代目です。でも創業家の出身ではなくて、築地の料亭『新喜楽』に勤めたあとにこの店を継ぎ、夫婦でやっています。厨房ではおふたりの子供が遊んでいたりして、家族経営な感じ。昨今人気のガストロノミーな店にちょっと疲れた時にここに来ると、ほっこりして落ち着きます。自分のレストランリストにいれておくと重宝しますよ。

茂竹

4代目の西澤夫婦が切り盛りする店内は白木のカウンターのみ。網代(あじろ)天井や土壁を配した内装は昭和のまま。

Tenpura Mochiku
住所:東京都中央区銀座6-5-16 三楽ビル2F
TEL:03-3571-1578
営業時間:11:30~14:00、17:00~L.O.21:30
定休日:不定休
席数:8席
料金:コース¥22,000~

【ゲーテイスト2022】※6月24日までに全公開!
「秘密の店」
「和の神髄」
「洋の絢爛」
「名人の店」
「弩級な鮨」
「肉の魔力」

TEXT=小松めぐみ

PHOTOGRAPH=上田佳代子

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