PERSON
2024.09.18
前園真聖、出演番組を全部録画して見直す理由とは
元人気プロサッカー選手で、現在は解説者やタレントとしても活躍している前園真聖さん。しかし一見、順風満帆に見える前園さんにも、かつてある挫折がありました。著書『第二の人生』より一部を抜粋してお届けします。
他人の視点で自分を客観的に評価する
サッカー選手は創造的なプレーをして、ゴールを決めてチームに勝利をもたらすことができたら、それでサポーターとスタジアム全体がパアッと盛り上がります。自分のパフォーマンスに対する評価が一目瞭然でわかりやすいのです。
でも、テレビの場合はちょっと違います。たとえスタジオで爆笑が生まれたとしても、それがテレビを観ている人たちにどう伝わっているかまではわかりません。
その部分は、街中を歩いているときに声をかけてくれる人が増えたり、テレビやイベントなどに呼んでもらったりすることで「評価されている」「満足してもらっている」というふうに理解するしかないと感じています。
評価がダイレクトに伝わるサッカーとはあまりに違うので、自分が出ている番組は全部録画して見直しています。
録画という形で客観的に見返してみて、自分がどんなふうに見えているのか、あるいは自分のどのコメントが使われているのか、あまり受けが良くなかったのはどういう部分なのかをチェックするのです。
サッカーにたとえると、コメントはたぶんドリブルやスルーパスのようなものだと思いますから、それがどうつながって笑いや驚きといったゴールに結びつくか、というプロセスは大事にしたいと思っています。
生番組以外は編集されますから、自分のパスがつながらなかったり、ドリブルで突破できなかったりした部分はカットされています。ですから、録画を見直すと独りよがりに陥ることなく、他人の視点で自分を客観的に評価できるのです。
番組に一緒に出ている出演者の方は一つのチームの一員みたいなもの。そのなかで言葉のドリブルやパス回しがあります。
出演者もゲストも毎回変わりますが、そこで自分がちゃんと機能しているかどうかは意識しています。せっかく番組に呼んでもらったのに、自分が機能しなかったら申し訳ないと思うからです。
それは僕にとって、サッカーの試合に監督から期待されて先発出場させてもらったのに、まったくいいところがなく、得点に絡めないでチームに迷惑をかけるようなものです。
自分のスタイルを見極める
サッカーの場合、局所のプレーも大事ですが、一方ではフィールドやゲーム全体を俯瞰しておく必要もあります。相手のディフェンダーに囲まれてドリブルしながらでも、逆サイドにスペースがあるとか、あそこにパスが通るコースがあるといったことを常時、気にしているのです。
加えて試合全体の流れを読む視点も欠かせません。ここは相手の攻撃に耐える時間帯だから泥臭く我慢しようとか、いまは流れがこっちに傾いたからペナルティエリアに入って積極的に攻め続けよう、といった具合に大局を判断しなくてはならないのです。
そのあたりは出演させていただいているさまざまなテレビ番組でも同じだと感じています。自分がコメントしていないときでも、番組がどういう流れになっているかを俯瞰しながら察知して展開を読むことが求められます。そうでないと急に話題を振られても、対応できないのです。
ただ、番組の進行を邪魔しないためには俯瞰したり、展開を読んだりすることは必須ですが、僕は意図的に受けや笑いを狙うことはしたくありません。
テレビの世界には、面白い人たち、頭の回転が速い人たちがいっぱいいます。突然無茶振りされても笑いを取れる反射神経を持つタレントさんが大勢いるのです。そこに割って入るのは僕には難しいので、受けや笑いを狙わない、素のままの自分のスタイルをこれからも貫きたいと思っています。
サッカーは毎回ほぼ同じチームメイトで戦いますが、テレビ番組では共演者が毎回のように変わりますから難しい部分もあります。
固定したレギュラーメンバーでずっとやっていると、阿吽の呼吸でわかる部分も出てきますし、こういうプレーをすれば仲間はこう動いてくれるだろうという信頼関係も芽生えてきます。
そのための練習も重ねますが、バラエティ番組では共演者も変わりますし、台本はあってないようなもの。生放送でもアドリブで進行することが少なくありませんから、慣れない僕にとっては対応するのが難しい部分もありますが、半面それが面白さにもなっています。
サッカーだと対戦相手のデータを取り寄せたり、試合のビデオを観たりして事前にしっかり研究しますが、テレビはむしろ先入観を捨ててフラットに接した方が良いと僕は思っています。
芸人さんはものすごくトークの技術があってコミュニケーション能力も高いですから、毎回切れ味のあるドリブルやスルーパスが出せますが、番組制作者も視聴者もそれを僕に求めているわけではないと思います。
復帰させてもらうときに、何に対しても飾り気なく素直に接していくと決めたので、そのルールに従ったスタイルで今後もずっとやっていきたいと考えています。
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