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2024.10.26
4度目の結婚は80歳、友人の妻を寝取るのがやめられない…ノーベル賞受賞者の異常な性癖
完璧主義、依存、頑固、コンプレックスが強い。どんな人にも、こうした性質はあるものです。しかし、それが「異常心理」へとつながる第一歩だとしたら……? 精神科医・岡田尊司さんが、私たちの心の中にひそむ「異常心理」を解き明かす。『あなたの中の異常心理』から一部を抜粋してご紹介します。
異性は狩りの獲物のようなもの
イギリスの哲学者で、平和活動などでも活躍し、ノーベル文学賞の受賞者でもあるバートランド・ラッセルは、華々しい公的生活とは裏腹に、私生活は乱脈を極め、スキャンダルすれすれのきわどい綱渡りを繰り返した。
4度結婚したが、4度目の結婚は80歳のときであったことからも知れるように、ラッセルは性豪であった。実際、そのことを自慢げに話すことがあり、ノーベル賞受賞者らしからぬ発言に周囲が眉をひそめることも再々だった。

ラッセルは、性欲と支配欲が結びついた男根ナルシズムと呼ばれるものに取り憑かれていたようだ。
このタイプの人にとっては、魅力的な異性は、狩りの獲物のようなものであり、手に入れる過程に醍醐味があり、征服対象である異性自体に関心があるわけではない。征服すること自体が、自己目的化していると言ってもいいだろう。
その結果、次々と異性を自分のものにしようとエネルギーを投入するが、ひとたび手に入れてしまうと、急に熱は冷めてしまう。必然的に、恋人や配偶者との関係は不安定なものとなる。
ラッセルが好んで関係したのは、友人や知人の妻であった。色事の世界では、男にとって一番美味な女性は人妻だとも言われるが、ラッセルは、姦通の魔力に取り憑かれてしまったように、次から次に知人の妻に手を付けていった。
哲学者のホワイトヘッドの妻も、詩人のT・S・エリオットの妻も、ラッセルの餌食となった。それによって、家庭を壊されたり、精神に異常をきたした犠牲者も数多いた。
ラッセルが一人の女性と安定した愛着関係を築けなかったのには、幼い頃の体験がかかわっていただろう。
母親は、彼がまだ2歳のときに病死したのであるが、亡くなる前から、両親の間の愛情はやや特異なものであった。夫妻は、上の息子の家庭教師をしていた男性が、結核のため独身生活を送っていることを気の毒に思い、若い欲望を満たせるように妻の体の提供を申し出たのである。
最近でこそ「セックス・ボランティア」ということが真面目に論じられたりするが、何しろ140年も前のことである。いくら進歩的な合理主義者であるとはいえ、道徳のうるさいヴィクトリア朝の時代に、貴族の令夫人が、夫以外の男性に進んで体を差し出すというのは奇想天外なことで、むしろ、妻と家庭教師の懇ろな関係を、夫が許したと言う方が真相なのかもしれない。
勃起不全が改善した反動で…
こうした異常とも言える関係が繰り広げられたのは、奇しくもラッセルが生まれて間もないころであった。ちょうど幼いラッセルと母親との間に愛着形成が行われる時期に、母親は、夫以外の別の男性を受け入れていたことになる。
そうした状況で、母親のわが子に対する関心は、多少とも上の空なものにならざるを得なかっただろう。当然、当時の貴族の習慣に従って、夫人は早々に断乳し、乳母が代わって乳房を提供したのであろう。
ラッセルの性への執着を異常に強めることになったのは、幼い頃の怪我もかかわっているとされる。ラッセルは、馬車から落ちたときに局所に傷を受けたのだが、その後遺症もあってか、若い頃のラッセルは勃起不全に悩み、そのことがコンプレックスになっていた。
もちろん、その後の性豪ぶりからすると、多分に精神的なものであったと考えられるが、青年の頃のラッセルは、自分の肉体に自信のもてない若者だったのである。
最初の妻は、ラッセルより5歳年上で、セックスに極めて消極的な女性だった。その頃のラッセルの心境としては、都合のよい相手に思えたのかもしれない。しかし、勃起不全が改善し、セックスの喜びを知るようになると、遠慮会釈のない猟色へと乗り出していく。
性に対するコンプレックスが、過剰に補償されたことによると考えることもできる。
中年になって、ラッセルの哲学者、平和活動家としての声望が高まるとともに、活動を共にする取り巻きの女性たちは、彼のハーレムと化していったのである。
女性に対する飽くことなき征服欲求の根底には、安定した愛情の絆を誰とも築くことができないという欠陥があり、本来のゴールにたどり着くことなく、これまで見てきた自己目的化した行為と同様、出口のない反復強迫にとらわれるしかなかったのである。
このタイプの人は優れた能力と自信に満ち、世間的には華やかな存在であるが、身近に接すると共感性に欠け、他人の痛みにはまったく無頓着であることを思い知らされる。
私的生活においては平和主義とは正反対と言うべき人物が、世界平和活動家として高い評価を受けるというのは、よく出会う皮肉な現実であろうか。
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