連載「意欲的新作ウォッチ」の第156回は、クレドールの「ゴールドフェザー U.T.D.」を取り上げる。
クレドール、羽のような軽さを追い求めた国産ドレスウォッチ
ラグジュアリースポーツウォッチのブームがやや落ち着き、高級時計のトレンドは多様化の方向へと変化していくなか、ドレッシーなモデルの新作発表が増えている。この度、クレドールから登場するセイコーの薄型機械式時計の原点と称される「ゴールドフェザー」もその好例だ。
1950年代、国産の腕時計が隆盛を極める前の時代、セイコーの技術開発者が機械式時計に求めたのは、高精度化と薄型化。それから時を経て誕生したのが、高精度を追求したグランドセイコーと薄型ケースを極めた「セイコー ゴールドフェザー」だった。
その名の通り、「ゴールドフェザー」は、まるで羽に触れたような軽やかなつけ心地を持つ、上品な薄型のドレスウォッチであった。搭載された「キャリバー60」は当時では世界最薄となる2.95mmの3針用(センターセコンド仕様)の機械式ムーブメント。この設計思想を受け継ぎ、1969年には2針用ムーブメントで世界最薄を誇る厚さ1.98mmの「キャリバー6800」を開発。その後、「キャリバー68系」は、1993年以降クレドールを代表する薄型ムーブメントとして多くのモデルに搭載されている。
今回、クレドールから復活を果たした「ゴールドフェザー」は、現代にふさわしいドレスウォッチの理想を叶えるために大幅なアップデートを行っている。限定の18Kイエローゴールドモデルと、レギュラーコレクションの18Kピンクゴールドモデルの2種類。2023年7月8日からクレドールサロンで先行発売される予定だ。
ケースデザインについては、羽根のように「薄く」「軽やかで」「空気をはらみ」「艶やかで」「優美」であることをデザインコンセプトとし、 丸みを帯びた優美でおおらかな造形と、袖口に収まりやすい薄さの両立を図っている。
さらに、ムーブメントをケースに直接固定し、裏蓋のサイズを最小化する新構造を採用したことで、ケース裏側の斜面が広くなり、腕に着けた際、実際の厚さよりも薄く見えるように仕上げた。
細く軽やかなラグとベゼルには、熟練の職人によって、それぞれザラツ研磨とダイヤカットが施され、繊細なシルエットにまとめられている。立体感のあるボックス型サファイアガラスの風防はあえて角を取らずに、ダイヤルの上に空気をはらんだような柔らかい空間を作り出している。
ダイヤルの仕様は、それぞれのモデルで異なる。18Kイエローゴールドモデルは、 宙に舞う羽根をイメージしたスパイラル状の放射仕上げを採用。ダイヤルに直接彫り込まれたインデックス、ブランドロゴ、分目盛の陰影が繊細な立体感をもたらしている。
一方の18Kピンクゴールドモデルでは、 ダイヤルに沿って曲げた極細のインデックスを用いることで、視認性を一層向上させている。
この機会にスーチングの決め手となる2針の薄型ドレスウォッチをワードローブに加えてみてはいかがだろうか。
問い合わせ
セイコーウオッチお客様相談室(クレドール) TEL:0120-302-617
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■連載「意欲的新作ウォッチ」とは……
2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選! 時代を超えて輝き続ける、腕時計のパワーを改めて感じて欲しい。