連載「意欲的新作ウォッチ」の第129回は、グランドセイコー「SBGW291」を取り上げる。
小ぶりのサイズ感と落ち着いた雰囲気を兼ね備えた注目作
腕時計のサイズ感とは、その時代の流行が大きく反映される要素であり、グランドセイコーの手巻きモデル「SBGW291」は、腕元に馴染みやすい36.5mm径のケースが新鮮に映る。
たとえば1960年代に流通していた腕時計の多くは、今よりも小ぶりなサイズが主流であった。それは1960年に立ち上げられたばかりのグランドセイコーも然りでファーストモデルの「J14070」は35mm径で提案されていた。
これに対して、現代のグランドセイコーを象徴するエボリューション9 コレクションの人気モデル「SLGH005」は、40mm径のケースに22mm幅のブレスレットを合わせたスポーティな雰囲気が人気を集めている。
ここで紹介する「SBGW291」はいわゆる復刻モデルではないが、1967年に発表されたグランドセイコーの傑作「44GS」のデザインを色濃く受け継いでいる。
ケースサイズを比較すると、オリジナルの「44GS」が38mm径に対して一回り小ぶりな設定であることがわかる。さらに付け加えると、「SBGW291」の36.5mm径は、グランドセイコーのヘリテージコレクション及びメンズモデルとしては最小に近いサイズだ。ケース厚は11.6mmのため手に置くと適度なボリュームが感じられる。
ディテールの無駄を省くことで「44GS」を現代的に再解釈したスタイリングも大きな魅力だろう。放射模様を施したシルバーダイヤルを中心に全体をグレートーンでまとめたことで落ち着いた雰囲気に仕上げている。
近年では、優れた精度のみならず、デザインの面においても世界的な評価を得ているグランドセイコー。オーセンティックを追求した小径サイズの「SBGW291」は、現代のライフスタイルにこの上なくフィットするはずだ。
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■連載「意欲的新作ウォッチ」とは……
2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選! 時代を超えて輝き続ける、腕時計のパワーを改めて感じて欲しい。