腕時計というものは知的好奇心を掻き立てる装身具である。だからこそ、確固たる流儀をもって選びたい。時計に精通するプロフェッショナルが、一目置かれる時計選びを指南する。【シン・男の流儀】
時計の真価を味わう大人の愉しみ
昨今の高級時計の話題には、常に価格がついてくる。もちろんそれも大切な尺度だが、自分の身を飾るものを、希少性やブランド力、そしてリセールバリューで判断してしまうのは、少々行儀が悪い。むしろこういう時代だからこそ、時計が本来、持っている魅力や本質に目を向けるべきではないだろうか?
例えば「ダイヤモンドウォッチ」。傷つかない特性から霊的な力があるとされ、権力者から愛されてきたダイヤモンドは、男性が身につけるべき宝石でもあるし、何よりも大人の色気がある。時計でロマンを語るなら、時の起源である太陽や月の動きを表現する「天文系ウォッチ」はいかがだろう。ムーンフェイズや均時差表示などは、現代社会においては必須の機能ではないが、その余裕こそが真の贅沢でもある。またファッションにこだわる人なら、身体に合ったスーツを着るように、時計であっても小径や薄型など「サイジング」を意識したい。
これらはどれもが、奇を衒わぬ時計の王道である。そして時計文化を深く理解し、敬意を持って時計を選び、自分を表現するものとして身につける。それこそが、大人の時計の楽しみ方ではないだろうか。
HUBLOT/ウブロ
ダントツの輝きで自己主張を楽しむ
現代美術家リチャード・オーリンスキーとのコラボレーションモデル。彼の作風である多面構造を、加工の難しいチタンケースで実現するだけでもすごいが、さらにランダムにダイヤモンドをセッティング。光を乱反射させ、手元を美しく演出する。セラミックダイヤルの輝きも綺麗だ。
HARRY WINSTON/ハリー・ウィンストン
男性が楽しむダイヤモンドの王様
ブランドのロゴマークなどに用いられる”エメラルドカット”のフォルムを、ケースデザインに取り入れた優雅なドレスウォッチ。ダイヤモンドの輝きは当然素晴らしいが、ダイヤルのサンレイ仕上げや立体造形も気品があって美しい。
PIAGET/ピアジェ
ほどよいきらめきは大人の嗜み
人気のラグジュアリースポーツウォッチに加わった小径モデル。ピアジェはジュエラーとしても有名だが、このモデルはベゼルなどではなく、インデックスにダイヤモンドをセッティングした。そのさり気なさが、知的でエレガント。パートナーとのシェアウォッチでも楽しめる。
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