2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選! 連載第94回は、オメガの「スピードマスター キャリバー321 カノープスゴールド™」を取り上げる。
唯一無二のゴールドで蘇る初代スピードマスターのデザイン
オメガの偉大なるフラッグシップ「スピードマスター」にとって、2022年は誕生から65年周年の節目にあたる。その幕開けにふさわしい記念モデルとしてリリースされた「スピードマスター キャリバー321 カノープスゴールド™」は、世界で初めてベセルにタキメーター搭載した時計としても名高い、1957年に発表された初代スピードマスター「CK2915-1」を再解釈した1本である。
並みいる強豪を退け、「スピードマスター」が“ムーンウォッチ”の称号を得たのは、四代目の「ST105.012」の時代であるが、それ以前のモデルの評価も非常に高い。とりわけ「CK2915-1」に関しては、実機を見られる機会さえ稀なことからヴィンテージの世界では神格化されている。
そのため、復刻を望むファンの声も多く、2017年にスピードマスター60周年記念で発売された「トリロジー 1957 スピードマスター」は、優れた再現性からも大きな話題を呼んだ。昨年11月、オークションハウスのフィリップスがジュネーブで開催した時計オークションにて、ブラウンに変色した特別なダイヤルを持つ個体が、 3,115,500スイスフラン(約3億8700万円)で落札されたことも記憶に新しい。
さて、本題に入る。「スピードマスター キャリバー321 カノープスゴールド™」は、「CK2915-1」が備えていたディテールの再現とともに、「カノープスゴールド™」と名付けられたオメガが独自のホワイトゴールド合金を全面に採用したラグジュアリーな仕様が光る。ちなみに、この素材は高い輝度と白さに加え、耐久性に優れた特性を持っている。
外装へのこだわりは「カノープスゴールド™」の輝きだけにとどまらない。ブラックオニキス製のダイヤル、ブラックの“グランフー”エナメルによってベゼルに描かれたタキメータースケールの仕上げなどは、このモデルの顔立ちをさらに洗練させている。
2019年に生産が再開されたキャリバー321が搭載されていることも注目すべきポイントとして欠かせない。この伝説的なコラムホイール式クロノグラフ専用の手巻き式ムーブメントは、「CK2915-1」をはじめとする歴代のスピードマスターを支えてきたことで知られており、サファイアクリスタル製のシースルーバックには、ブランドの象徴であるシーホースが刻印されている。
オリジナルとも前回の復刻モデルともまた違った魅力を放つ、懐かしくも新しいスピードマスター。コレクタブルなアイテムとして楽しめることはもちろん、ゴールド製のブレスレットウォッチとしても申し分のない活躍を見せてくれるはずに違いない。
問い合わせ
オメガお客様センター TEL:03-5952-4400