2021年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選! 連載第80回は、セイコープロスペックスの「スピードタイマー」を紹介する。
セイコークロノグラフの伝説を受け継ぐ新コレクション
懐中時計の時代から現代に至るまで、クロノグラフは多くの時計メーカーが開発に情熱を捧げる複雑機構として長年君臨し続けている。
セイコープロスペックス「スピードタイマー」は、セイコーが1969年に発売した世界初の垂直クラッチを採用した自動巻き式クロノグラフ「1969 スピードタイマー」の名を受け継いだ、話題の新コレクション。その中から2つのメカニカルモデルを取り上げる。
ひとつ目は、セイコーの本格的な計時機器を開発するきっかけになった、1964年の東京オリンピックで使用されたストップウォッチの設計思想、そのデザインを受け継いだプッシュボタンなどを備えたホワイトダイヤルの限定モデル。
新型のクロノグラフムーブメント「キャリバー8R46」は、「1969 スピードタイマー」から脈々と息づいている技術をベースに大きな進化を遂げている。クロノグラフ針の瞬時帰零を確実に行う3本のアームが一体化した三叉ハンマーは、優れた耐久性やメンテナンス性を有しており、セイコーの独自性が光る。
付属するカーフストラップは、革の劣化を防ぐために縫い目を隠す「コンシール加工」を採用したことで、スポーツウォッチにふさわしい耐久性を兼ね備えている。
もう一方のレギュラーモデルは、限定モデルの同一のムーブメントとブレスレットを備えつつ、デザインが異なるチャコールグレーのダイヤル、1964年に国産初のクロノグラフとして登場した「クラウンクロノグラフ」からインスピレーションを得たハンマー型のプッシュボタンが特徴に挙がる。ダイヤルの存在感を強めている時分針やインデックスの外周に施されたルミブライトの存在も見逃せない。
1960年代から続くセイコークロノグラフの伝統を受け継ぐコレクションは、計時機器に求められる実用性はもちろん、現代のライフスタイルに寄り添うスポーツウォッチとして存分な活躍が期待できるだろう。
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