WATCH

2021.08.25

A.ランゲ&ゾーネが超稀少な角型時計で披露した時計製造の真髄とは?

2021年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる"活きのいい"モデルを厳選! 連載第73回は、A.ランゲ&ゾーネの「カバレット・トゥールビヨン"ハンドヴェルクスクンスト"」を紹介する。

トゥールビヨンとレクタンギュラーケースの完璧な融合

コロナ禍において投資の対象として高級時計の需要が高まる中、入手困難なレアモデルへの注目度が以前にも増して高まっている。世界30本限定で製作されるA.ランゲ&ゾーネの角型時計「カバレット・トゥールビヨン“ハンドヴェルクスクンスト” 」もご多分に漏れず当てはまる。

世界30本限定。手巻き、Ptケース、横29.5×縦39.2mm。価格:お問い合わせください

結論から述べると、この時計の最大の魅力とは、稀少性に勝るとも劣らない世界最高水準の時計製造を堪能できることにある。

A.ランゲ&ゾーネは2011年に究極の仕上げを追求する「ハンドヴェルクスクンスト」のシリーズを発表。「カバレット・トゥールビヨン“ハンドヴェルクスクンスト” 」は7作目にあたり、寸分の隙もない出来栄えに世界中から感嘆の声が上がっている。

サイズバランスに優れた29.5×39.2mmのレクタンギュラーケース。

時計の顔であるホワイトゴールド製ダイヤルは、パートごとに異なるきめ細やかな仕上げが見受けられる。アウトサイズデイトを取り囲むように配されたダイヤモンド模様のエングレービングは唯一無二の個性を演出。その周りにある細いライン、針の付け根、日付表示窓の外周には、トランブラージュ仕上げを施すことで境界線のような効果をもたらしている。その上に半透明のエナメル層を重ねることで独特の表情を持つダイヤルが完成する。

独特の表情を醸すエングレービング☓エナメルのコンビネーション。

この他にも、ロディウム仕上げのゴールドを用いたスモールセコンドのサブダイヤルやパワーリザーブ表示、最も難易度が高いとされるブラックポリッシュ仕上げを施したトゥールビヨン受けなど、細部の至るところまで妥協は一切見当たらない。

パートごとに適した仕上げを施すことでハーモニーが生まれる。

プラチナ製のレクタンギュラーケースに収められた手巻きキャリバーL042.1は、A.ランゲ&ゾーネが独自開発したストップセコンド付きのトゥールビヨン機構を備えている。2008年に発表されたカバレット・トゥールビヨンに搭載されたストップセコンド機能は、トゥールビヨンを秒単位の正確さで停止させることを目的に生まれたものであり、リュウズを引くことでキャリッジ内にあるテンプが一瞬止まり、押し戻すと同時に再び振動し始めるという前人未到の領域へと到達した。カバレット・トゥールビヨンはその機能が最初に搭載された記念碑的なマスターピースである。

ダイヤルとの関連性を意図したブラックロディウム仕上げによるダイヤモンド模様のエングレービングを、トゥールビヨンと中間車の受けにも反映させるなど、「ハンドヴェルクスクンスト」のコンセプトに倣った仕上げのレベルも特筆すべきものがある。

洋銀製の輪列受けのきめ細かな粒状感のある表面は、往年のA.ランゲ&ゾーネが手掛けていた懐中時計のムーブメントの仕上げに倣っている。

トゥールビヨンの歴史に一石を投じるA.ランゲ&ゾーネの角型時計は、未来まで語り継がれるコレクターズピースとしての揺るぎない価値を持つ記念碑的な1本となるはずだ。

問い合わせ
A.ランゲ&ゾーネ TEL:0120-23-1845

TEXT=戸叶庸之

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ1月号』が2024年11月25日に発売となる。今回の特集は“シャンパーニュの魔力”。日本とシャンパーニュの親和性の高さの理由に迫る。表紙は三代目 J SOUL BROTHERS。メンバー同士がお互いを撮り下ろした、貴重なビジュアルカットは必見だ。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる