新型コロナウイルスにより、新作発表会が中止や延期を余儀なくされたウォッチシーン。一体新作はどうなるのか!? しかし心配ご無用。主要ブランドからは、新作情報が続々と届いている。そんな中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選! 連載第35回は、パテック フィリップからグランドソヌリ Ref.6301Pを紹介する。
2020年のハイライトを飾る、グランド・コンプリケーション最新作
懐中時計の時代からあらゆる分野のウォッチメイキングで成功を収めてきたパテック フィリップが最も得意とするのが複雑機構であり、その最上位に位置するのが、グランド・コンプリケーションと呼ばれる一連のコレクションだ。
2020年の新作として、計4本のグランド・コンプリケーションが発表されたうち、ハイライトを飾ったのが、パテック フィリップ・グランドソヌリ Ref.6301Pである。
そもそもの話をすると、音を奏でるチャイム機構は、複雑機構の最上位機種にあたり、パテック フィリップは時計愛好家の間では、"ミニット・リピーターの名手"として知られた存在で、類を見ないほどのバリエーションを誇っている。
今回の新作、グランドソヌリ Ref.6301Pは、パテック フィリップの歴史をその名を刻む記念碑的な1本だと言っても過言ではない。
グランドソヌリ搭載のチャイムウォッチが満を持して登場!
グランドソヌリ Ref.6301Pが持つ第一のストロングポイントは、グランドソヌリを搭載したモデルであることだ。
グランドソヌリとは、自動的に1時間、15分毎に音を鳴らすことで、正時とクオーターを知らせるチャイム機構で、高度な技術を擁するために腕時計に搭載されることは非常に稀である。
この他に、Ref.6301Pは、プティットソヌリ(正時には自動的に音が鳴り、クオーターにはクオーターの数のみが自動的に鳴る)、ミニット・リピーター(知りたい時刻を分単位で知らせる)の2つのチャイム機構、さらには、6時位置のジャンピング・セコンド機構、9時位置にムーブメントのパワーリザーブ表示(72時間)、3時位置にはチャイム機構のパワーリザーブ表示(24時間)と、5つの特殊な機能を備えている。
これらの機能を支えるのが、Cal.GS 36-750 PS IRM。エネルギーのフローとパワーリザーブを最適化に成功した新ムーブメントは、わずか直径37mm、厚さ7.5mmのコンパクトなサイズに抑えたことも賞賛に値する。
これだけの機能を持つ一方、シンプルな操作を追求している点がいかにもパテック フィリップらしい。グランドソヌリ、プティットソヌリ、サイレントの作動モードは、6時位置のスライドピース、ミニット・リピーターはリュウズに統合されたプッシュボタンによって操作が行える。
外装においてもグランド・コンプリケーションの最高峰に相応しい風格が漂う。
光沢仕上げの本黒七宝文字盤は、ホワイトゴールドの植字ブレゲ数字、夜光付きリーフ型の時針と分針等は、これみよがしな高級感とは異なる雰囲気を纏っている。仕上げの凹面ベゼル、段差がある側面にサテン仕上げを施したプラチナケースにも通じる魅力が感じられる。
「日常でも快適に着用できる」という現代的な視点が、この時計にさらなる洗練を与えていることは言うまでもない。
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パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL:03-3255-8109