2025年6月に筑波大蹴球部を退部してデンマーク1部リーグのブレンビーに加入したFW内野航太郎が、欧州で奮闘している。新天地での対外試合デビューとなった7月5日のヴェイレBKとの練習試合で2得点の活躍。初の公式戦となった7月20日のリーグ開幕戦でも後半22分からの途中出場で存在感を示した。

デンマークで活躍して5大リーグに行く
明確な目標がある。
筑波大蹴球部を3年生の夏に退部。デンマークの強豪ブレンビーに加入した内野航太郎の視線は、2026年夏のW杯北中米大会に向けられていた。
2025年7月2日。渡欧前の羽田空港で「A代表のエースになる目標から逆算してクラブを選んだ。その実現のために頑張りたい。来年のW杯も滑りこみを狙っている。FWは生きのいい選手が呼ばれると思うので、ブレンビーで活躍すれば可能性はあると思う」と力強く語っていた。
ブレンビーはデンマークリーグで11度の優勝を誇る名門クラブ。内野は国内外の10近いクラブからオファーを受けるなかで、活躍すれば欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス)入りにつながるクラブを選択。2024~2025年シーズンまで所属したMF鈴木唯人が、2025年夏にドイツ1部フライブルグにステップアップしたことも決断を後押しした。
「ブレンビーはデンマークのなかでも歴史を持つビッグクラブ。デンマークで活躍して、5大リーグに行くイメージを持っている。1年目からゴールを量産して2年以内に5大リーグに行くことを目指している」
レバンドフスキ、ハーランド…世界的ストライカーになる
内野は身長1m86cmのストライカー。大学1年時には関東大学1部リーグの新人王に輝き、2年時はリーグ2位の11得点を記録した。動き出しの質が高く、豊富な得点バリエーションが魅力。2024年のU-23アジア杯では大学生で唯一メンバーに選出されて、同年のパリ五輪切符獲得に貢献している。
横浜マリノスユースからトップ昇格できず、筑波大学に入学。大学では肉体改造に着手して2年半で体重は約4kg増えた。体育専門学部で栄養学、トレーニング学、メンタルトレーニングなどを学んだこともアスリートとしての財産となったという。
大学は休学せず、オンラインなどで単位を取得できる方向で調整中。サポートに感謝し「向こうでも筑波大蹴球部の看板を背負って活躍して、いい報告ができるように頑張りたい」と決意を語った。
新天地での対外試合デビューとなった2025年7月5日のヴェイレBKとの練習試合で2得点の活躍。ヘディングと左足でネットを揺らし、フレデリク・ビルク監督から「ゴールだけでなく、ボールを受けるタイミングとインテンシティ(プレーの強度)も素晴らしかった」と称賛された。同20日のリーグ開幕戦シルケボーで後半22分からピッチに立ち、公式戦デビュー。3-0の勝利に貢献した。
欧州で上々の滑り出しを見せた内野には具体的な青写真がある。
「最終的にはプレミアリーグに行きたい。ドルトムントに行きたい気持ちもある。ドルトムントにはレバンドフスキ選手やハーランド選手など憧れていた選手が在籍していた。ふたりのように世界的なストライカーになりたい。そのためにもまずは日本代表に呼ばれるような活躍をしないといけない」
目標はデンマーク経由、ビッグクラブ入り。A代表のエースになるため、内野が欧州で走りだした。
内野航太郎/Koutaro Uchino
2004年6月19日神奈川県生まれ。中学時代から横浜マリノスの下部組織に所属。ユースからトップチームに昇格できず筑波大学に進学した。2024年U-23アジア杯メンバーに大学生で唯一選出されて、2024年パリ五輪切符獲得に貢献したが、パリ五輪日本代表からは落選。2025年6月に筑波大蹴球部を退部してデンマーク1部リーグのブレンビーに加入した。1m86cm、78kg。