5年に一度、動物愛護管理法の見直しがあることをご存知だろうか? まさに再来年、2025年がそのタイミングとなる。犬猫など動物を愛するすべての人に知ってほしいのが、一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブルが推し進める署名活動。その発端となる衝撃の事実にあなたは何を想う?
11月22日はペットたちに感謝する日
「少しでも多くの人に知ってもらい、署名活動をして現状を変えなければ」と、臨月の大きなお腹を抱えながらナレーションに挑むのは、滝川クリステルさん。2014年より一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル(以下クリステル財団)を立ち上げ、「共に、生きる。」という想いをテーマに、人間と動物の命が共存・共生して、調和する社会の実現を目指し、地道な活動を続けている。
11月22日は「ワンワン・ニャンニャンの日」でありペットたちに感謝する日。その日に合わせて制作した人形を使ったアニメーションの啓発動画は、題して「そこが変だよ!犬猫裁判」。舞台は裁判所だ。
「この裁判、ちょっと変わっています。被害者がペットなんです」
そんな滝川さんのナレーションで1分間の物語が始まる。被害者である「イヌさん」が飼い主から受けた「飼育放棄」や「暴力行為」が明らかになり、飼い主の有罪が確定。視聴者としてほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、衝撃的な結末が待っていた。有罪判決を受けた飼い主に、そのまま「イヌさん」が家に連れて帰られてしまったのだ。
つまり、虐待された動物は証拠として一時的に保護されても、動物虐待罪で飼い主が有罪になったとしても、飼い主が所有権を放棄しない限り、結局は飼い主の元へ返されてしまうということ。2019年に厳罰化されたと言われる現在の動物愛護管理法をもってしても、到底ハッピーエンドとは言えない結末を迎えることとなる。
だからこそ、動物愛護管理法の見直しが行われる2025年のために、クリステル財団は「緊急一時保護」と虐待した飼い主の 「所有権喪失」を求める署名活動を急いでいるというわけだ。
▼動画『そこが変だよ! 犬猫裁判』
動物愛護管理法の「所有権の壁」。ひとりひとりの署名が社会を変える力となる
クリステル財団では、2021年6月1日より動物虐待防止の啓発・支援に関する「Animal SOSプロジェクト〜Save One’s Smile 虐待のない世界〜」の活動をスタート。動物虐待に対する監視の目を広げていくために、ヤフーに協力を仰ぎ、動物虐待を発見した時に、Yahoo!で「動物虐待+市区町村名」と検索すると、地域ごとの通報先が分かるという仕組みができた。これにより迅速に通報先が見つかるようになるなど、複数の啓発活動をおこなってきた。
これをさらに前に押し進めるため、2023年9月、今回の動画の発端となった5年に一度の動物愛護管理法の見直しに向けて署名を集めるプロジェクト「#飼い主に傷つけられた動物を守れる社会に」を開始。
それと同時に、動物虐待というテーマをさらに深掘りすることに対して、滝川さんの中で常に葛藤があったという。
「どうしても深刻な話なので、見ていて辛いと目を背けたくなるのではないか、たくさんの方に現状を知ってもらえないのではないかと不安な気持ちがありました。でも、単発の活動ではあまり意味がありません。風化させてはいけない、もっと多くの人に知っていただきたい、ともに声を挙げてもらいたいという思いの方が強くなっていきました。
そこで、アニメーションディレクター伊藤有壱さんの力をお借りして、動画内の登場人物の手触りを感じるような人形にしてアニメーション化することで、愛着を感じられるように制作しました。核心をつきながらも、動物を想う温かみのある動画にしたくて。ひとりひとりの署名が社会を変える力になるとともに信じ、活動にご賛同いただけたらありがたいです」
クリステル財団のメッセージのひとつに「声なき声に耳を傾け、言葉を持たざる者の代わりに、一緒に声を発してください」という言葉がある。まさにそれを体現したかのような1分間の物語。動画に登場する被害者「イヌさん」の切実な、声なき声に耳を澄まし、そして行動してみてほしい。
署名の詳細、賛同する方は署名サイトへ。