PERSON

2023.03.11

【東急カード 梅原昌弘×ZIPAIR Tokyo 西田真吾】ロンドンで出会い、刺激しあったふたりの特別な関係とは

海外赴任先のロンドンで出会った、東急カード代表取締役社長 梅原昌弘と、ZIPAIR Tokyo代表取締役社長 西田真吾。盟友ふたりが語る、思い出深い縁とは。 連載「相師相愛」とは……

東急カード 梅原昌弘(左)、ZIPAIR Tokyo 西田真吾(右)

ロンドンにまた行こう

西田 25歳の時、2年間、ロンドンにある日本の銀行の証券子会社に出向したんですが、この時、一緒だったんですよね。

梅原 私は32歳でした。他にも大企業から何人も来ていたんですが、みんな数ヵ月から1年。なのに、ふたりだけまるまる2年いたんですよね。

西田 だから、同じ境遇の人がいてくれて心強かったです(笑)。

梅原 でも西田さんは1ヵ月早かったから、もうすっかりなじんでた印象でしたよ(笑)。

西田 いやいや英語もまだまだでしたし。お買い物くらいはできても、外国人の同僚と本音を話せるような英語力はなくて。

梅原 仕事の話はできても、文化の話となると難しかった。よくふたりでランチをしたね。

西田 週末のゴルフも記憶に残っています。当時、日系のゴルフ場だったハットフィールドを、梅原さんが攻略されるのを眺めていました(笑)。私はゴルフを始めたばかりでしたので。

梅原 ロンドンで唯一、お風呂があって、カツ丼が食べられた所。まだ日本の食材が世界に広がっていない頃だったので、日本人が群がってましたね。

西田 それ以降、私は海外赴任はないので、梅原さんと過ごしたロンドンの日々は、社会人人生の貴重な1ページなんです。

梅原 すると10年ほどして、私がカード関連の責任者、西田さんはマイレージの責任者として、一緒に仕事をすることになって。

西田 懐かしいお兄さんに再会できた感じでした。

梅原 日本航空の整備場、東急電鉄の車両工場に会員さんを招いてイベントをやりましたね。

西田 世界は狭いと思いました。

ZIPAIR Tokyoの就航路線が刻まれたオリジナルマグカップをプレゼントする西田氏。

梅原 私がありがたかったのは2019年、強烈な台風が日本を襲った時です。ちょうど上海出張から戻ったタイミングだったんですが、交通機関が麻痺して成田が陸の孤島になっていて。電車も止まり、高速道路も閉鎖。空港は大混雑していたんですが、ちょうどZIPAIR Tokyoの開業準備中で、オフィスにいさせてもらうことができて。

西田 電話がかかってきて、びっくりしました。でも、少しでもお力になれてよかったです。

梅原 いつか一緒にロンドンに行ってみたいですね。昔、行った所をたどってみたい。

西田 それはいいですね。パブでビールを飲んだり。ロンドン時代から、ご家族とも仲がよくて、とにかく人生を楽しまれていた印象があります。さすが梅原さん、人生を楽しむ方法を、やっぱりよくご存知です(笑)

梅原 私がロンドン時代に思い出深いのは、西田さんがとにかく汗をかかれていたこと。日本人の仲間で何かをする、となれば、必ず自分から手を上げて、段取りをされていましたね。

西田 いえいえ。私が派遣先では最年少でしたので。ゴルフコンペの賞品の買いだしによく行っていたのは、覚えています。

梅原 そういうところは、ずっと変わっておられないと思うんですよ。細かなところで、率先して気遣いをされる。だから、周囲の人たちが集まってくるんだと思うんです。上からも下からも慕われる。上下関係なく、信頼を集められる。

西田 私は梅原さんから、財務とは何かを教わりました。数万人規模の会社でも、財務がしっかりしているからこそ、社員は安心して働ける。預かったお金をうまく使うことで、社員の生活を守ることができる。そのためには厳しさも必要。一緒に仕事をさせてもらったことで、勉強することばかりでした。JALリバイバルで新しい株主を探す際、カウンターパートで梅原さんと再会した時は驚きました。つながった関係は財産だと思います。

梅原 でも、昔からのつながりというのは、やっぱりいいですね。だから、縁を切らさないことが大事だと、改めて思います。年賀状をだし続けていると、何十年ぶりかで会うことになったりするんですよね。そうすると、また面白いつながりが始まる。

西田 特に我々の場合は、海外の地でお互い本当に不安、という環境でのご縁でした(笑)。これは特別なことだったと思っています。

Masahiro Umehara
1961年生まれ。’85年、東京急行電鉄入社。財務からロンドンの証券会社へ2年間出向。帰国後は資本政策等を担当。2013年東急カードへ。’17年より現職。

Shingo Nishida
1968年生まれ。’90年、日本航空入社。大阪空港支店を経てロンドンの証券会社へ2年間出向。帰国後、資金部を経てマイレージ事業部長。2019年より現職。

■連載「相師相愛」とは……
師匠か、恩師か、目をかける若手か、はたまた一生のライバルか。相思相愛ならぬ、相”師”相愛ともいえるふたりの姿を紹介する。

過去連載記事

↑ページTOPへ戻る

TEXT=上阪徹

PHOTOGRAPH=太田隆生

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年12月号

昂る、ソウル

東方神起

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2024年12月号

昂る、ソウル

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ12月号』が2024年10月24日に発売となる。今回の特集は“昂る、ソウル”。最高にエンタテインメント性に富んだ国、韓国をさまざまな方向から紹介。表紙は東方神起が登場。日本デビュー20周年を目前に控えた今の心境を教えてくれた。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる