鶴雅リゾート取締役社長 金子力と、メディカルネット代表取締役会長CEO 平川大。北海道の大自然と、幅広い医療ITネットワークのタッグによって、新たな事業の可能性も! かけ合わせのビジネスに挑戦するふたりのエピソードをご紹介! 連載「相師相愛」とは……
かけ合わせビジネスで、差別化を図る
平川 経営者仲間に会ってほしい人がいる、と紹介いただいたのが、金子社長でした。とにかくエネルギッシュな印象でした。
金子 医療業界と聞くと堅い方が多いイメージがあるのですが、お会いしたらまったく違っていて、私はびっくりしたんです。
平川 名刺交換して医療ビジネスをやっていますと言うと、2回に1回は「本当に?」と聞かれます(笑)。
金子 鶴雅リゾートに星空が見えて北海道の大自然を満喫できるサウナを先日オープンさせたのですが、今後は医療分野や高齢の方が喜ぶ施設を増やしたいと考えていたんです。
平川 私は父方が北海道の出なんですよね。でも、そんなに行ったことがないんです。
金子 鶴雅リゾートは釧路市の北部にある阿寒湖のそばにあります。特別天然記念物のマリモやヒメマスが生息していたり、ワカサギ釣りやスノーモービル、スケートなどウインタースポーツも楽しむことができます。
平川 そうなんですね。私は東京、仙台、バンコクと3拠点の生活をしていて、医療ビジネスのエリアも幅広く考えています。
金子 阿寒の森にはトドマツが多いんですが、酸素が多く出るようなんです。日本一、空気が綺麗だと言う人もいますし、歩くと気持ちがすっきりするとお客様アンケートに書かれることも多い。こういう自然をぜひ活用したいんですよね。
平川 酸素濃度を測ったり、ストレスチェックとか、やってみるといいかもしれないですね。阿寒湖、行ったことないんです。
金子 羽田空港から3時間で現地に着きますよ。どんなことができるのか、平川さんのような方に客観的に見てほしい。
平川 とても興味深いです。我々の業界だとインバウンドというキーワードから汲み取って、医療ツーリズムという発想にも向かいますね。コロナでいったんストップしていますが、医療ツーリズムに来た人に観光をセットで提供することをやろうとした時期もあったんです。なるほど、地方を組み合わせることも有効かもしれないですね。
金子 シンガポールやタイでは、進んでいる考え方です。ぜひ一緒にやりましょう。やっぱり餅は餅屋に任せないと。
平川 パートナーは大事ですよね。我々は医療×ITというかけ合わせのビジネスをやってきましたが、やはりいいパートナーの存在が大きかった。
金子 美容や健康も可能性があります。今後が楽しみです。
平川 これからは、掛け合わせで差別化を工夫していかないと、なかなか生き残れないと思っているんです。厳しいですよね。
金子 旅館も、温泉に入って食事をしてよかったね、というだけではこれから先ダメだと私も思っています。やっぱり引きだしをいくつも持っていないと。
平川 今は医療機関のなかでも、歯科医療の経営支援を中心に事業を行っています。成功する歯科医院って、経営と医療を分けて分業化しているんです。両方やるのは大変なんです。
金子 僕は今の会社は31年目ですが、入社した当時は、正直、よい旅館ではありませんでした。大手の旅行会社から「もう送客できません」と言われたほどで。そこから大きな改革をすると、評価が高まりました。また、どんどん新規案件も拡大させてきました。今、13軒目を準備していて、14軒目も企画に入っています。おかげで休む暇がありません(笑)。
平川 私たちは、タイでもビジネスを展開しています。M&Aをきっかけに一気に拡大しまして。海外売上比率が2割、3割となる日も近そうです。
金子 ぜひ何か一緒にやりたいですね。私たちがわからないことを、ぜひ教えてほしい。まずは北海道に来てください。いいところですよ。
平川 そうですね。ぜひすぐ連れていってください(笑)。
■連載「相師相愛」とは……
師匠か、恩師か、目をかける若手か、はたまた一生のライバルか。相思相愛ならぬ、相”師”相愛ともいえるふたりの姿を紹介する。