日本茶を世界へ。その実現に向けて中田英寿が試飲を依頼したのは、世界一の美食都市・東京のレストランシーンを率いる料理人たちだった。果たして、HANAAHU TEA(ハナアウ ティー)が世界と戦える勝算はあるのだろうか。東京・四谷の名店「三谷」の店主・三谷康彦氏に訊いた。
中田英寿プロデュースの日本茶「HANAAHU TEA」の第一印象は「旨いけれど、旨すぎない」
新規の予約は4年先と言われる東京・四谷の「三谷」。鮨とワインのペアリングの先駆者でもある店主・三谷康彦氏は、「鮨に寄り添う飲み物は日本酒やワイン以外にもある」と感じていた頃に中田氏の日本茶プロジェクトを知り、お茶と料理の可能性にワクワクしたという。
「中田さんは10年位前から来てくださっているのですが、全国の日本酒の蔵を巡っていてペアリングにもお詳しい。そんな中田さんから話を聞いて、これは初心に戻ってお茶を学ぶチャンスだと思ったんです」
今までお茶を勉強できていなかったというものの、料理と飲み物のマリアージュを長年追求してきた経験から、感性は鋭く磨き上げられている。そんな三谷氏が「HANAAHU TEA」を試飲した第一印象は「旨いけれど、旨すぎない」というものだった。
「試飲は煎茶ベースの『KUSAWAKABA(草若葉)』とほうじ茶ベースの『AKIZAKURA(秋桜)』の2種類。どちらも香り・甘味・渋味を備えています。土壌から生まれるミネラル感や、野菜と共通する甘味や香りが感じられて、鮨屋で通常出される緑茶とは違う、エレガントな日本茶だと思いました」
昔から「あがり」という符牒で出される鮨店の緑茶はカテキンを多く含み、その殺菌作用が生魚の食中毒予防の役割を果たしている。また、タンニンの渋味が魚の脂やにおいを洗い流し、口の中をリセットする効果も。しかし三谷氏は「もうお茶でリセットする時代ではない」と。
「今の鮨店は生物だけでなく、揚物や煮物も出します。ですから、お茶も従来の『リセットする』ものではなく『つなげる』ものが合う。『HANAAHU TEA』は前の食材の余韻が残ったまま次の食材の旨味が重なり、相乗効果とともにつながっていく感覚を生みだします。そしてマリアージュの後にリセットもできる。そこが現代の料理に合っている」
お茶は健康効果の高さも時代にフィットしているという。
「今は『美味しいものは身体によい』という時代。カテキンには油分と塩分を排出する力がありますし、水出しのお茶には腸内環境を整える働きもあります」
どうやら確実に、お茶の時代がやって来るようだ。
Mitani
住所:東京都新宿区四谷1-22-1
TEL:03-5366-0132
営業時間:18:00~22:00
定休日:月曜・火曜
席数:カウンター6席
※紹介制
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