三省堂書店代表取締役社長亀井崇雄が、"電子書籍の風雲児"と厚い信頼を寄せる淡野正のエピソードを紹介! 連載「相師相愛」とは……
亀井崇雄が語る、BookLive代表取締役社長 淡野 正
第一印象は、物腰柔らかくて、穏やかな人。話し方もソフトで優しくて、この方なら我々のニーズも聞いて、いい協業のスキームをつくってもらえるかもしれない、と思いました。紙の本で商売するだけでは先細りするという危機感から、当時は電子書籍も含めて新しい取り組みを進めていくことが私のミッションだったんです。そんな時出会ったのが、淡野さんでした。
あれから10年以上、まさにあっという間でしたが、淡野さんはブレないですね。黎明期からの電子書籍の風雲児ですが、近年もコミック出版社を買収されたり、自らコンテンツをつくったり、リアルな紙での刊行にグッズ、イベントなどと新たな挑戦を続けておられます。
ただ、お会いしたばかりの頃は、やはり仕事が大変だったんだと思います。かなりしんどそうだな、と感じたこともありました。それが、仕事が順調に進んでいって、だんだんとお顔も穏やかになっていかれて。そんな姿を見ていると、やっぱり私も嬉しいんです。
ゴルフがお好きなんですが、私はあまりゴルフには積極的ではなくて。一度はご一緒しましたが、あとは私の部下を連れていってくださっています。仕事もそうですが、若い人をたくさん引きつれて、ワイワイ楽しくやっておられるイメージが強いです。
そして信念の人、執念の人。最初に作った専用端末は、まさにフルスペックで本当に思いが詰まっていました。なんとしてでも電子書籍のビジネスを成功させる。その強い思いがあったからこそ、今があるのだと思っています。ご一緒させていただいたご縁に感謝しています。
Tadashi Awano
1965年神奈川県生まれ。東京理科大学を卒業後、凸版印刷入社。Eビジネス推進本部ビットウェイ本部を経て2005年、分社化に伴い取締役就任。’11年より現職。
Takao Kamei
1975年東京都生まれ。明治学院大学卒業後、システムエンジニアを経て、2005年に三省堂書店入社。’10年、専務取締役として新規事業を担当。’20年より現職。
■連載「相師相愛」とは……
師匠か、恩師か、目を掛ける若手か、はたまた一生のライバルか。相思相愛ならぬ「相師相愛」ともいえるふたりの姿を紹介する。