PERSON

2022.07.15

【西野亮廣】「チャンス待ち」する癖を、「自分のゲームにシフトする」発想へと転換するための、魔法の言葉『親の思惑』

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】

今日は「『親の思惑』にいつまでのるのか」というテーマでお話ししたいと思います。
ちょっとふわっとした話なんですけれど、実際に起きていることをお話したいと思います。

第51回 「やってくるチャンスを掴む」から、「チャンスを作る」方向にシフトチェンジしなければ、仕事というのは大きくなっていかない

西野亮廣

向こうからやってくるチャンスには親がいる

今日は「『親の思惑』にいつまでのるのか」というテーマでお話ししたいと思います。
すごくフワッとした話になっちゃうのですが、でも、事実をキチンとお伝えします。

たしか、元々はレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉だったと思うのですが、「チャンスの神様は前髪しかない」という有名な諺(ことわざ)があります。
これはまぁ、いつぞやのサッカーワールドカップの時のブラジル代表の「ロナウド」とか、ブラックマヨネーズの小杉さんのことをイジった言葉ではなくて、
「チャンスの神様は前髪しかないので、向かってくる時に掴まないと、通り過ぎてから慌てて掴もうと思っても、後ろ髪がないので掴むことができない。なので、チャンスが来たら、躊躇せず、掴みに行け!」
みたいな教訓ですね。
物理的な話をすると、そのスピードで向かってくるヤツの前髪は、前に流れておらず、おでこにビタッとひっついているので、掴もうとすると「突き指」して終わると思いますが、まぁ、そのへんは「たとえ話」なので大目に見てください。

真面目な話をすると、僕らは、この言葉にまぁある程度共感すると思うんですね。
自分の人生を振り返ってみると、たしかに、チャンスは一瞬しかなかった。
そこは僕も凄く共感するのですが、同時に、「向こうからやってくるチャンスなんて、たいしたチャンスじゃなかった」という実体験も持っています。

というのも、世界は自分(自分達)を勝たせる為に存在しているわけじゃないので、向かいからやってくるチャンスって、必ず「相手の思惑がある」というか、「親」がいるんですね。

「チャンスを掴む」だけでは親以上に大きくはなれない

当然、相手(親)の思惑にのって、そこで名前を挙げて、体力をつけて…という段階は必要だと思っていて、ただ、そこから先もそういうものが続くと思ったら大間違いで、ある程度、体力がついたら、どこかで「やってくるチャンスを掴む」から、「チャンスを作る」という方向にシフトチェンジしなきゃ、仕事というのは大きくなっていかない。

というのも、チャンスをくれる親以上に大きくなることはないからです。

なので、僕は結構、ウチの若手社員に「チャンスをもらうだけもらって、独立した方が良くね?」と、そそのかすのですが、僕自身、今、やっている大きな仕事って、誰かからもらったチャンスじゃないんです。

もちろん、入り口は吉本興業にもらったチャンスや、劇場にもらったチャンスや、テレビにもらったチャンスをモノにするところから始まったわけですが、その「チャンスをもらう」というのは25歳で卒業して、そこから先は荒地を開拓するところからのスタートでした。

「絵本」なんて最たるもので、べつに絵本ブームなんて無かったし、僕の絵本のニーズも無かったし、それでも飛び込んで、半ば強引にビジネスモデルを作り上げました。
「絵本をベースに、エンタメを2次展開、3次展開して、オンラインサロンや、マーケティングのノウハウ販売でマネタイズする」というビジネスモデルなんて、世界のどこを探しても無かったんです。

ここに関しては、前髪をつけたチャンスの神様なんて、いなかったんです。
ですが、結果的に、大きな仕事になりました。

「チャンス待ち」から「自分のゲーム」へのシフトチェンジがメチャクチャ大事

まぁ、簡単な言葉で言えば「待っていても始まらない」というところなのですが…
たとえば、「やりたいことが見つからない」という人って多いと思うのですが、言葉を返すと「お前の『やりたいこと』を探してやるメリットなんて誰にも無いんだから、お前が動いてないんだったら、見つからなくて当然だろ」というところで、世界は「お前」の為に存在していないんですね。

今、自分は海外のアレやコレやに挑戦しているのですが、「世界のエンタメ」となると、「親の思惑」だらけで、「世界は自分達の為にあるわけじゃない」を再確認させられっぱなしです。

そのことをよくよく理解して、「思惑に乗る時はトコトン乗る」
そして、良きタイミングで、「チャンスもヘッタクレもない自分のゲームに切り替える」。
このシフトチェンジがメチャクチャ大事なんだと思います。

おそらく、「チャンス」という言葉って解像度がチョット低くて、「親の思惑」という言葉に置き換えないと、いつまでも「チャンス待ち」の身体になってしまって、「自分のゲームにシフトする」という発想が生まれないと思うので、そのあたりの言葉の整理はしておいた方がいいと思います。

 

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『西野亮廣講演会』のお知らせです。
全国各地で続々と開催が決まっています。
7月16日(土)に愛知、
7月18日(月)に福岡、
8月6日(土)に大阪、
8月7日(日)に東京、
8月20日(土)に熊本、
9月4日(日)に岐阜で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク1本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報

よろしくお願いします。

 

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。

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過去連載記事

TEXT=西野亮廣

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