仕事において、大きな成果を上げている人ほど、睡眠を重要視している。重大な決断や大きなプレッシャーのもと、どのようにして快適な睡眠を手に入れているのか。結果を出し続けるビジネスパーソンにその睡眠術を訊いた! ※2022年5月掲載記事を再編。
佐久間宣行Pが、多忙でも5時間以上の睡眠を死守する理由と方法
人気バラエティ番組を数々手がけるテレビプロデューサーの佐久間宣行氏。日々の企画だしや撮影に加え、毎週水曜日は深夜ラジオの生放送に出演、入眠時間は毎日どうしてもバラバラになるが、睡眠は5時間以上を死守しているという。
「睡眠時間とともに質も意識するようになったのは4年前から。当時大好きな舞台を見ている時に、眠くなってしまうことが多かったんです。集中できないのは年齢のせいかと思ったのですが、おぎやはぎの矢作兼さんに『夜ちゃんと寝られてないんじゃない?』と言われ睡眠クリニックを受診しました」
その結果、1晩で100回以上無呼吸になっていたことが判明。睡眠時の呼吸を補佐する機器CPAPをつけながら寝るようにしたところ格段に睡眠の質が向上した。
「眠るってこういうことだったんだと。良質に5〜6時間眠れたら、日中眠くならず、集中力も続くようになりました」
佐久間氏は数多くの企画を抱えながら、映画・舞台・ドラマのチェックも欠かさない。そのなかで5時間の睡眠時間を捻出するのは簡単ではないはずだ。
学習塾コンパス創業者・神野元基が、"仕事に熱狂"するための就寝前ルーティン
学生個々にあわせ最適な問題を出題するAI型教材「Qubena(キュビナ)」を開発、教育とテックをより親密にすべく活動を続けるのが学習塾コンパス創業者の神野元基氏。現在は佐賀県の東明館学園の校長として毎日学校に"登校"している。
「教育は終わりがないんです。持てる力すべてを子供たちに注ごうと考えると、無限にやることがあります。だからこちらも自分のパフォーマンスを、最高の状態で維持しないといけない」
そこでまず睡眠を変えようと、ここ半年で寝具を一新。自分に合う、硬めの枕とマットレスを手に入れ、眠る前のルーティンも研究の果てに完成させた。
「まず、お風呂に入りながら、筋膜リリースを15分ほど。足の裏を緩めてから、足の筋肉と骨の接合点をほぐしていくんです。その後はストレッチロールでストレッチ。寝る直前でフレグランスマッチに火をつけて、暖かくなるアイマスクをつけたら、ストンと眠れます」
2010年、シリコンバレーで起業し、カメラで感情を計測するエンジンを開発。当時は3時間睡眠ということもよくあった。
「寝つきも悪かったですし、熱狂していると睡眠をおろそかにしがちでした。けれどその生活では思考が鈍ってしまう。リモートワークも主流になり、"効率的に仕事に熱狂"することが大事なのではないかと」
朝3時半起床の気象予報士・片岡信和の快眠術とは
朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』で天気予報を伝える、気象予報士で俳優の片岡信和氏。朝3時半起床、5時にテレビ局に出社し、天気図を整理する生活になり2年だ。
「寝るのは22時頃で睡眠は5〜6時間ほど。俳優の仕事は、夕方の撮影もあり、どうしても安定して6時間以上眠るのは難しい。だったら質を極めようと眠りについて勉強しました」
あらゆる睡眠本を読み漁り、なかには軍人が戦地でどう身体を休めるかという論文までチェック。多くの睡眠術を身につけ、移動中など寝づらい場所での睡眠にも活かされている。
「寝たまま、または座ったままで深呼吸を連続10回。いっさい他のことを考えずにやるのは、結構難しいんです。けれど力を抜いて集中できるようになれば、どこでもストンと眠れます」