眠りにこそ、仕事の効率を最大化する秘密が隠されている。結果を出し続けるビジネスパーソンにその睡眠術を訊いた! 【特集 睡眠力革命はこちら】
眠る瞬間、その幸せがいい仕事を生みだす
学生個々にあわせ最適な問題を出題するAI型教材「Qubena(キュビナ)」を開発、教育とテックをより親密にすべく活動を続けるのが学習塾コンパス創業者の神野元基氏。現在は佐賀県の東明館学園の校長として毎日学校に"登校"している。
「教育は終わりがないんです。持てる力すべてを子供たちに注ごうと考えると、無限にやることがあります。だからこちらも自分のパフォーマンスを、最高の状態で維持しないといけない」
そこでまず睡眠を変えようと、ここ半年で寝具を一新。自分に合う、硬めの枕とマットレスを手に入れ、眠る前のルーティンも研究の果てに完成させた。
「まず、お風呂に入りながら、筋膜リリースを15分ほど。足の裏を緩めてから、足の筋肉と骨の接合点をほぐしていくんです。その後はストレッチロールでストレッチ。寝る直前でフレグランスマッチに火をつけて、暖かくなるアイマスクをつけたら、ストンと眠れます」
2010年、シリコンバレーで起業し、カメラで感情を計測するエンジンを開発。当時は3時間睡眠ということもよくあった。
「寝つきも悪かったですし、熱狂していると睡眠をおろそかにしがちでした。けれどその生活では思考が鈍ってしまう。リモートワークも主流になり、"効率的に仕事に熱狂"することが大事なのではないかと」
夜の仕事は交感神経を刺激するため、メールの返信は朝7時からと決めた。前述のルーティンがうまくいけば、眠る瞬間、極上の感覚を味わえるという。
「眠る瞬間に幸せを感じるって贅沢なこと。常にその幸せを感じられるような生活が、いい仕事を生むのだと思います」
東明館学園校長/中央教育審議会臨時委員
神野元基
1985年北海道生まれ。2010年シリコンバレーで起業、’12年八王子でCOMPASSを創業。’14年AIドリル「Qubena(キュビナ)」を開発し、’19年からは宮崎市教育CIOとして活動する。