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2022.04.11

NBAで輝きを放つ八村塁の弛まぬ努力──連載「コロナ禍のアスリート」

まだまだ先行きが見えない日々のなかでアスリートはどんな思考を抱き、行動しているのだろうか。スポーツ界に暮らす人物の挑戦や舞台裏の姿を追う連載「コロナ禍のアスリート」から、八村塁の戦いをまとめて振り返る。※2021年、’22年掲載記事を再編

八村塁が外出自粛期間中にファイナンスを勉強し始めた理由

外出自粛期間に体重が10ポンド(約4・5キロ)増えた。本業ではないファイナンスの勉強に取り組むことも決めた。NBAウィザーズのドラフト1巡目ルーキー八村塁(22)はコロナ禍によるリーグ中断期間を有効活用し「今までこういう時間を作ることができなかったので、いろいろ学べた。将来的に何をする必要があるかを見据えて、時間を無駄にせずに使えた」と胸を張った。

3月11日からNBAが中断に入ると、八村はチームの用意した練習拠点で肉体改造に着手した。ウエートトレーニング中心のメニューで体を鍛え「体重も増えて、体つきも大きくなったと言われる」とパワーアップに成功。ブルックス監督からも「塁はここ4ヵ月で間違いなく体が強くなった。体重は増えたが、動きに影響はない」と太鼓判を押された。

5月中旬に体育館での練習が解禁されると、課題である外からのシュートを特訓。中断前の3点シュート成功率は27・4%(73本中20本成功)に低迷したが「3点シュートは自信を持って打てるようになった。ミドルレンジからのシュート、ボールハンドリングなども練習した」と充実の時間を過ごした。

コーチ陣と一緒に中断前までの試合の映像もチェックし、自身の長所や修正点などを確認した。今季の八村は41試合に出場し、1試合平均13.4得点6リバウンドを記録。約2ヵ月の故障離脱期間を除き、主力としてプレーした。「これまでNBAの試合を見る機会がなかったので、今までにないことを学べた」と頭のトレーニングにも余念はない。

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2年目を迎えた八村塁のNBAキャリアの視界が良好な理由

Licensed by Getty image

1週間遅れで新シーズンのスタートを切った。NBAウィザーズの八村塁(22)が昨年12月31日に本拠地ワシントンで開催されたブルズ戦で今季初出場。25分13秒の出場で17得点、5リバウンド、3アシストをマークした。

続く1日のティンバーウルブズ戦では19分29秒の出場で、11得点4リバウンド、2アシストを記録してチームの今季初勝利に貢献。3日のネッツ戦では33分24秒の出場で、15得点、2リバウンド、3アシストの活躍で連勝をもたらした。

2ケタ得点を続け「チームメートがスペースをつくってくれるのでポストアップが楽になっている。(プロ2年目を迎え)試合に対する準備の仕方にも慣れてきた」と強調。出遅れを取り戻すに十分な存在感を示している。開幕前にアクシデントに見舞われた。目の炎症のため、昨年12月15日の練習を欠席。翌16日に病院で検査を受けた結果、流行性角結膜炎と診断され、チームから約3週間の離脱が発表された。

スコット・ブルックス監督(55)は「かなり重症。目がひどく充血している。目がかすんで見えることと、光に敏感になっているそうだ」と説明。「プレシーズンの離脱は若手にとって痛い。段階的に練習を再開してから完全復帰となるだろう」と見通しを示していた。

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TEXT=木本新也

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