優秀な経営者ならば、途中でスパッと辞めるんですけども、でもまぁ、多くの人がそういう判断ができない。
毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今日は、「経営者(リーダー)は何の為に存在しているのか?」というテーマでお話ししたいと思います。
【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】
第37回 経営者(リーダー)は何の為に存在しているのか?
「手段が目的化」している場合がある
そんなこんなで本題です。
今日は「経営者(リーダー)は何の為に存在しているのか?」というお話です。
僕が働いているCHIMNEY TOWNという会社があるんですけれども、この会社では若手社員がコンテンツを持って独立することがあって、その一つが『CHIMNEY COFFEE』というコーヒー事業をメインでやっている会社です。
渋谷にお店があって、オンラインでも展開しているんですけども、これは“後輩贔屓”とかそんなんじゃなくて、『CHIMNEY COFFEE』のコーヒーはガチで美味しいので、是非、一度取り寄せてみてください。
オススメは「カフェオレベース」です。
これを「オーツミルク」で割るとも、もう、大変です。
ちなみに僕は毎日飲んでいます。
頭を使うことが多いので、甘めのヤツをいつも頼んでいます。
さて、この『CHIMNEY COFFEE』の代表を務めているのが、皆から「べえ君」(山邊)と呼ばれている24歳ぐらいの男なんですけども、昨日、この「べえ君」がYouTubeで24時間生配信をしていたんです。
彼が立ち上げたクラウドファンディングの最終日ということで、最後の追い込みをかけての「24時間生配信」ですね。
いわゆる「一般人」のYouTubeの24時間配信ですので、当然、長く続けたところで拡散していくことはありません。
拡散装置も、フロントエンド(お客さんを呼び込むネタ)も設計されていないので、基本的には、同じお客さんに24時間話し続けることになるわけで、まぁ、「クラウドファンディングの支援を集める」が目的なのであれば、あまり意味のない打ち手です。
そんなことは始める前から分かることで、最悪、始めてから分かることだと思うんです。
「あ、違うな」という。
で、こんなことを言うと血も涙もないヤツだと思われるかもしれませんが、配信の途中で、「ベエ君、この企画、途中でやめたら絶対に面白いよww」とコメントしたんです。
これ、僕的には一応、助け舟のつもりです(笑)。
というのも、今回の企画は俗に言う「手段の目的化」というやつで、「クラウドファンディングを達成すること」ではなくて、「24時間生配信すること」が目的になっていたので。
ここで、優秀な経営者ならば、途中でスパッと辞めるんですけども、でもまぁ、多くの人がそういう判断ができない。
この連載をお読みになっている皆さんも、「手段が目的化」している現場を目の当たりにしたことがあるでしょうし、もしかすると、皆さんの会社(あるいはチーム)のリーダーがそこに陥っている場合もあるでしょうし、もしかすると、あなた自身がそこに陥っている場合もあるかもしれません。
「始めること」と「続けること」と「辞めること」の難易度
そこで。
いつかの時の為に、「このことは絶対に覚えておいた方がいい!」ということがあって…それというのが、「始めること」と「続けること」と「辞めること」の難易度です。
前提として「自分の意思で」というのが前に付きます。
「自分の意思で始めること」と「自分の意思で続けること」と「自分の意思で辞めること」です。
たとえば、結果が出せなくて辞めるのは「自分の意思で辞める」というよりも、どっちかというと、「辞めさせられる」に分類します。
これは、辞めやすいですよね。
だって、強制的に「退場させられる」わけだから。
なので、そういうのはカウントせずに、あくまで、「自分の意思で始めること」と「自分の意思で続けること」と「自分の意思で辞めること」の、それぞれの難易度はいかほどか?
この話をしたいと思います。
これはもう答えが出ていて、難しい順番から言うと、「辞めること」「始めること」「続けること」です。
「始めること」よりも、「辞めること」の方が遥かに難しくて、そして、「続けること」がブッチぎりで簡単なんです。
リーダーを務めるのであれば、これは絶対に自分の中に落とし込んでおいた方がいい。
さて。
「続けること」は何故、簡単なのか?
その答えは、「判断しなくていいから」です。
「始めること」や、「辞めること」は、判断しなくちゃいけませんが、「続けること」って判断しなくていいんです。
何も判断しなかったら続くんです。
そして、そのまま取り返しのつかないところまでいって、最後は「辞めさせられる」。
べえ君の立場になって考えていただきたいのですが、24時間生配信を12時間ぐらいやったところで、新規客が流入してくる気配もないし、そういえば、そこの建て付けを設計していない。
視聴者は10人〜20人である。
そして、クラウドファンディングの締め切りが迫っている。
ただ、コメント欄には「あと12時間頑張って〜」みたいなコメントが来ている。
この時、「辞めること」と「続けること」、どっちが簡単ですか?
「続けること」の方が圧倒的に簡単ですよね。
いろんな目があるし、自分のプライドみたいなのもあるので、この状況で辞めるのって難しいですよね。
だけど、辞めた方がいいことは薄々気づいている。
「辞める」というのは判断であって、判断というのは必ず何かしらの痛みを伴うので、難しいんです。
だから経営者が必要だし、だからリーダーが必要なんです。
お知らせ!「キンコン西野と学ぶオンライン勉強会『DAO』って何?」アーカイブ参加者、ついに1万人突破!
コチラはすでにアーカイブ配信となっているのですが、「キンコン西野と学ぶオンライン勉強会『DAO』って何?」の参加者が1万500名を突破しました。
コチラは、ブロックチェーンに詳しいエンジニアが、
技術に詳しくないスタッフ、そしてお客さんにわかりやすく説明するビットコインやブロックチェーンの初心者に優しい勉強会となっております。
内容は、ビットコインをはじめとして、ブロックチェーンやNFTについて簡単にまとめた(復習した)あと、「DAO(自律分散型組織)」について勉強します。
仕組みを学ぶための勉強会ですので、「儲かる」とかそういう話は一切ありません。
我らが世界のNISHINOが絶妙な生徒をしております。
西野の相槌の上手いこと上手いこと(笑)。
このあたりも注目です。
仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーンの未来について興味がある方は、ぜひご参加ください!
チケットは800円です。
参加ご希望の方は、「キンコン西野 DAO」で検索してみてください。
キンコン西野と学ぶ!仮想通貨勉強会「DAOって何?」※儲け話はありません
そして、お知らせもう一つ。
お知らせ!「【教えて西野先生】親子で学ぶ! とっても大切なお金の話2022」の参加者750名突破!
5月21日の20時から開催するオンライン勉強会『【教えて西野先生】親子で学ぶ! とっても大切なお金の話2022』の参加者が「750名」を突破しました。
僕は、自分で会社を起こして、資金繰りをして、作品や商品を作って、売って、従業員を雇って…という活動をしているのですが、この活動は「お金」の問題と常に隣合わせなんです。
そして、そこでは「お金の勉強をしていない人の弱さ」を見る。
お金の勉強をしていない人が、自分や、まわりの人達を不幸にしていく様を、まざまざと見るんです。
でも、どうやら学校では今後もまともに「お金教育」をする気配がない。
今年からは高校の家庭科の授業でやるらしいですが、「そもそも誰が教えるの?(教えられるの?)」という問題がある。
「まさか、投資をしたことがない先生が『投資のイロハ』を教えるわけじゃあるまいな」…という。
やっぱりこのあたりの心配は拭えないので、今回、久しぶりに手を挙げてみました。
こちらはFacebookグループを使った勉強会になるので、参加者の方の声を拾いながら、授業を進めて行きたいと思います。
アーカイブは6月30日まで残りますので、当日参加できない人でもお楽しみいただけます。
参加料金は「800円」です。
参加ご希望の方は『BASE 煙突屋』で検索してください。
よろしくお願いします。
西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。
●国内最大となる、5.8万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら。
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