どんなスーパースターでも最初からそうだったわけではない。誰にでも雌伏の時期は存在しており、一つの試合やプレーがきっかけとなって才能が花開くというのもスポーツの世界ではよくあることである。そんな選手にとって大きなターニングポイントとなった瞬間にスポットを当てながら、スターとなる前夜とともに紹介していきたいと思う。連載コラム「スターたちの夜明け前」年始総集編③
吉田正尚
2009年6月6日 高校野球春季北信越大会 対桜井高戦
現在のプロ野球で最も安定した打力を誇る選手と言えば、多くの人が吉田正尚(オリックス)と答えるのではないだろうか。プロ入り当初は腰痛に苦しんでいたが3年目の2018年からは全試合に出場して3年連続で打率3割をマーク。昨年は初のタイトルとなる首位打者を獲得すると、今年(2021年8月時点)も前半戦終了時点で打率、出塁率、安打数でパ・リーグのトップを走っている――。
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山田哲人
2010年全国高校野球選手権大会
東京オリンピックで悲願の金メダルを獲得した侍ジャパン。多くの一流選手がさすがというプレーを見せたが、その中でMVPに輝いたのが山田哲人だった。5試合全てで1番打者に起用されると、オープニングラウンドのメキシコ戦では試合の流れを呼び込むスリーランをレフトスタンドへ叩き込み、準決勝の韓国戦では同点の8回裏に決勝の3点タイムリーツーベースを放つなど、ここ一番での活躍は見事だった。日本プロ野球史上初となる3度のトリプルスリーを達成しているが、年齢を考えるとこの記録を更に伸ばす可能性も十分にあるだろう。
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宮城大弥
2019年春季九州大会(高校3年)
昨年(2020年)まで6年連続Bクラス、2年連続最下位と低迷しながら、今年はここまで(2021年9月時点)優勝争いを演じるなど一気に躍進を遂げたオリックス・バファローズ。そんなチームの救世主的な存在となっているのが今や左のエースへと成長した宮城大弥だ。高卒2年目ながら開幕からローテーションに定着すると、8月13日には両リーグ最速となる二桁勝利をマーク。ちなみに10代の選手が12球団最速で10勝に到達したのは1987年の桑田真澄(巨人)以来、実に34年ぶりの快挙である――。
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