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2022.01.07

【西野亮廣】フリーの人も、会社勤めをしている人も、「独立(自立)しない」はリスク。「必要とされない人材」へまっしぐら!──連載「革命のファンファーレ2」Vol.24

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。
(こちらは、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』に投稿した記事を加筆修正したものです)
さて。
今日は『独立しよう』というテーマでお話ししたいと思います。

【連載「革命のファンファーレ~現代の労働と報酬」】

第24回 「独立」は、変化の激しい時代の生存戦略!

西野亮廣

ブロードウェイのデジタルサイネージが呼び込んでくれた幸運

本題に入る前に、皆様にご報告があります。

クラウドファンディングでたくさんの方にご支援いただき、無事に、ブロードウェイのデジタルサイネージに『映画 えんとつ町のプペル』のCMを流すことができました。

15秒CMを1日に何度も流していて、広告の期間が結構あるので、年が明けても、しばらく流れています。

実は、この試みが結構プラスに働いていて、(これは配給会社さんからの情報ですが)ニューヨークで最も良いと言われている劇場2館(♯紹介が雑)が、「そんなに宣伝に力を入れているのなら…」ということを理由に『映画 えんとつ町のプペル』の上映に興味を持ってくださったみたいで、年明け7日から『映画 えんとつ町のプペル』用にスクリーンを空けてくださることになりました。
 
NYとLAでは今日から先行上映がスタートするのですが、年明け1月7日からアメリカ全土(400館)で公開が決まっています。

※アメリカでの映画情報はこちら 

今回のデジタルサイネージの広告や、アメリカ遠征(試写会&レセプション)など、『映画 えんとつ町のプペル』は公開に向けて、いくつか揺さぶりをかけたのですが、それが今、ボディーブローのように効いていて、上映館が、まだ少し増えそうな雰囲気です。
 
僕自身、今回が初めてのアメリカ公開で、どのシュートが決まるか分からず、手探りではあるのですが、「シュートを打たなきゃ点は取れない」という当たり前に立ち返って、今日も懸命にシュートを打っています。
 
「アメリカの映画公開のノウハウ」を共有したところで、日常生活には転用できませんが(何の参考にもならないと思いますが)、こうして「シュートを打ったことで、小さな成果や、思わぬ成果が出た」という事実を共有することで、シュートを打つことの重要性が伝わればいいかなぁと思います。

LAタイムズでも、『映画 えんとつ町のプペル』のことが取り上げられているので、是非、チェックしてみてください↓

英語が苦手な方は、記事をGoogle翻訳にコピペしたら、(変な日本語になりますが)なんとなくの内容が伝わると思います。

さて。
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

独立せよ

今回のブロードウェイのデジタルサイネージの広告掲載料は「約◯◯◯万円(※広告制作料を除く)」です。
結構長い期間、広告を出してくれることを考えると、かなり良心的な金額だなぁと思いました。

そちらの◯◯◯万円は今回のクラウドファンディングの支援金から出させてもらったのですが(※本当にありがとうございます!)、本当にありがたいことに、クラウドファンディングの支援は目標金額の◯◯◯万円を突破した後も、増え続けていて(今も続いています)、現時点で約960万円のご支援をいただいております。

そんでもって、アメリカでの広告費の使い方に関しては、僕よりも、現地の配給会社さんの方が詳しいので、今回のクラウドファンディングで集まった金額は、サイトの手数料を抜いた全額を、配給会社さんにお渡しして、全て広告に使っていただくことにしました。
 
さて。

この話をなぜ、今、しているかというと、僕はもう芸能事務所に所属している人間ではないので、こういった判断のイチイチは全て「自分(自分たちのチーム)」でやっているんですね。
ミュージカルを仕掛けるのも、歌舞伎を仕掛けるのも、武道館イベントを連続でやっちゃうのも、全て「自分」の判断なんです。

誰かの許可をもらわなくていい反面、全ての責任を自分が背負わなくてはいけません。
 
「世界で一番楽しい学校 サーカス!」「キングコングのトークライブ」と、武道館イベントを立て続けにやっちゃってますが、こんなもの2連続で失敗しようものなら、僕らのような小さな会社は簡単に吹き飛ぶんです。
ミュージカルにしてもそう。
「(オフラインの)チケットを完売させても、1億数千万円の赤字」という勝負に出ましたが、これにしたって、一歩間違えれば、簡単に終わります。

「独立」のリスクは確実にあるし、「リスクが確実にある」ということは、つまるところ独立は「完全なる自由」ではない。
基本的に独立組は「一発アウト」の勝負には出れないので、自由ではないんです。
#僕は出るけど
 
サロンメンバーさんからすると、僕は吉本興業を退社する前から、自ら「資金繰り」や「予算の使い道」や「お金の流れの改善」をやっていたので、いまいちピンとこないかもしれませんが、「事務所に所属しているタレントが、自分で予算を作って、アレやコレや仕掛ける」というのは、基本的にはアウトです。

BARを経営したことで事務所をクビになるタレントさんとかいるじゃないですか?
基本的に芸能事務所はあのノリで、僕の場合は、吉本興業が本当に大目に見てくれていたんです。
#感謝してます。

なので、退所前と退所後で、あまり違いは見られないかもしれませんが、それというのは、僕が吉本興業に所属している間に「社内独立(社内起業)」をしていたからなんですね。

で。

今日の話の結論を先に言っちゃうと……
フリーで活動しようが、会社に勤めようが、それは人それぞれだとは思いますが(どっちも正解)、ただ、どちらにせよ「独立」はしておいた方がいいと思います。
リスクはあるけど、独立はしておいた方がいい。

「独立」の定義は様々ですが、基本的には「誰にも依存しない」ではなくて、「依存先が複数個ある」という状態だと思います。

要するに、「この人(この会社)にクビを切られたら人生終わり」という「一個人(一企業)依存」から抜け出すことですね。
 
会社の給料が上がらない理由はシンプルで、「あなたの給料を上げなくても、あなたが会社を辞めないから」です。
要するに、交渉の切り札を持っていない。
ここでいう「切り札」とは、「辞めますよ」です。
「一個人(一企業)依存」だと、このカードが切れないんですね。
だから、依存先を複数個持っておく必要がある。

副業禁止の会社もあるので、実際に兼業をしなくてもいいと思うのですが、せめてスキルだけでも磨いておいた方が良さそうです。

独立しないことのリスクは二つ。
一つは、今言った「交渉ができない」です。
独立していない(独立力の無い)社員は、社長とフェアな交渉をすることができません。

そして、もう一つのリスクは「痛い目に遭わない」です。
 
「俺は会社に守られてる。ラッキー!」と考えるのは大間違いで、仕事柄、いろんな若手と喋る機会がありますが、痛い目に遭っていない(自分事として学んでいない)20代は今、ものすごい勢いで「若年生老害」が進行していて、30歳になった頃にはクソジジイみたいに考えが凝り固まっていて、すっかり必要とされない人材になっている。

当然、その調子だと転職も難しい。
「転職が難しい社員」の給料が上がるわけがありません。
 
この記事の冒頭で「独立したら、全ての判断が自分なんです」と言いましたが、独立してみると、よくよく思い知りますが、ほとんど上手くいきません(笑)。

僕自身、ウン千万円、下手すりゃウン億円を溶かしています。
でも、それも、やる前には分からなかったんですね。
やってみて、「ああ、これをやったら大怪我をするんだな」と学びました。

この調子なので、おかげで、膝小僧は傷だらけですが、たとえば今回の場合だと「ブロードウェイのデジタルサイネージに映画の広告を出せば、ニューヨークの映画館のオーナーに刺さるんだ」ということを学べました。

そうやって、自分の意思で歩き、七転八倒しながら、学びを骨に刻んで、少しずつ強くなっていく。
これこそが、変化の激しい時代の生存戦略なのだと思います。

何も「今すぐ会社を辞めろ」と言っているわけではありません。
チームに所属していてもいい。
ただ、独立した方がいい。「自立」と呼んだ方が分かりやすいか。
自分で考えて、自分の足で歩むことを辞めてしまった瞬間に、一気に存在価値が落ちてしまいます。

人生、まだまだ先は長いです。
養っていかなきゃいけない家族もいるでしょう。
そんな中、今、あらゆる企業が「早期退職」を募集しています。

僕はスナックに入り浸っている男でして、隣の席に座る人生の先輩からいろんな話を聞かせていただきます。
先日、超有名大学を卒業して、大手銀行の歯車として働いて、そこそこの年齢で辞めたオジサンと話をしました。

もう、どこも雇ってくれないそうです。

「大学卒業後も勉強しとけば良かった」と言っていました。
「このことを、皆に伝えてあげて」とも。

ズッコケてもいいから、自分で考えて、自分の足で歩く。
皆様には、その作業を繰り返して欲しいと思います。

僕は、皆様が行動するキッカケとなるような行動を、今年もコツコツやっていこうと思います。

今年も僕と一緒に勉強してください。

西野亮廣氏ポートレイト

Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。

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TEXT=西野亮廣

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