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2022.01.05

【森田恭通】自分自身を見つめ、確認できるとっておきの場所──連載「経営とは美の集積である」Vol.21

森田恭通氏がここ数年欠かさず訪れていた、「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」。コロナの影響で中止となり、今年は2年ぶりの開催となるマイアミだが、森田氏にとってアートを楽しむだけでなく、デザイナーとして、アーティストとしての自分自身を確認する場所でもある。デザイナー森田恭通の連載「経営とは美の集積である」Vol.21。

Yasumichi Morita

1年のなかで「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」が一番楽しみだという森田氏。

昨年は残念ながら中止となった「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」に行ってきました。世界中にあるギャラリーがマイアミに一堂に集まる、アート好きにはたまらない祭典。これほどまでに効率よくアートを鑑賞でき、時代感を読み取れる機会はありません。年に1度、ここを訪れることによって、自分の感覚や直感がずれていないか、確かめに行く大切な場所でもあります。アート・バーゼルはスイスでも開催されますが、僕は街をあげてアートのイベントを楽しめるマイアミが好きです。

アートとひと括りにいっても、爆発的な人気で一時的なムーブメントの要素が強いものと、じわじわと味を出してくるものがあります。僕は、マイアミではムーブメント的なアートを楽しむというよりは、次に人気が出そうなアーティストを探し、発掘しながら楽しんでいます。知らなかった若手アーティストの作品と出合い「これ、いいな。この人は伸びそうだな」と感じると、アドレナリンが出てワクワクする。アートを眺めてリラックスするのもよし。新しい才能を見つけたかも!とワクワクする高揚感を感じるのもよし。交互に訪れる感情の波を楽しむのも、アートを見る醍醐味です。だから僕にとって特別な場所を聞かれたら、それはアートの空間なのかもしれません。そのなかでも素晴らしいギャラリーが一堂に集結するマイアミは、僕にとって本当に大切な場所なのです。

アートといえば10月に訪れたパリでは、アート好きがそのオープンを心待ちにした美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」でピノー・コレクションを見てきました。歴史的建造物の中で息づく現代アートが素晴らしく、時間を忘れて見入りました。人は今まで見たことがないものを目にした瞬間、ものすごく感動します。その感動を追い求め続けて、僕はアートに魅入られているのかもしれません。

そして今後、僕のライフスタイルとして大切な場所になるであろう、もうひとつの場所が「AZACLI」です。完全紹介制のクリニックで、自身の細胞を使った細胞再生医療をベースにヘルスケアやエイジング治療を行うことができます。2022年1月末に本格オープンとなりますが、現在ソフトオープン中ということで、僕もさっそく、将来に備えてPRP(多血小板血漿)や幹細胞を採取して、凍結保存サービスのバンクに保管してもらいました。僕の周りの経営者仲間たちは、この幹細胞による治療で長年の悩みだった関節の痛みが取れたり、老いがえ始めた肌を細胞レベルでメンテナンスできたりと、人生を楽しむために積極的にヘルスケアやエイジング治療に取り組んでいます。僕も定期的に保存したものを使い、肌や身体のメンテナンスをしていく予定です。ご縁がありグラマラスが、地下1階、地上3階のスペーシーなクリニックのデザインに携わらせていただきました。特に痛みに腰が引けがちな男性は、病院と聞くとどうしても緊張してしまいます。そのあたりを払拭すべく、リラックスできるデザインを意識しました。将来的には、みんなにとって"特別な場所"となるようなクリニックを併設した最高の老人ホームを造りたいなと思います。

Yasumichi Morita
1967年生まれ。デザイナー、グラマラス代表。国内外で活躍し、2019年オープンの「東急プラザ渋谷」の商環境デザインを手がける。その傍ら、’15年よりパリでの写真展を継続して開催するなど、アーティストとしても活動。オンラインサロン「森田商考会議所」はこちら。

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連載
森田恭通/経営とは美の集積である。

デザイナーとして、多くの経営者の経営展望や理念、彼らの求める機能やニーズに応えてきた森田恭通氏。そのなかに見えたのは、経営者こそが持つ、オリジナリティ溢れるセンスと美学だという。「経営」と「美」の関係性、その先にあるものとは。

TEXT=今井 恵

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