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2021.11.12

【西野亮廣】資産を眠らせるな

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。
今日は「ついつい眠らせてしまう資産」についてのお話を、自戒を込めて、お伝えしたいと思います。
(こちらは、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』に投稿した記事を加筆修正したものです)

【連載「革命のファンファーレ~現代の労働と報酬」】

第16回 『眠らせていた資産』を共有できることこそが、「多ジャンル展開できる作品」の強み

先月は、『映画 えんとつ町のプペル』の舞台挨拶があり、僕はファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』に出てくるスコップ(オリラジ藤森君)の衣装を借りて登壇しました。
オジサンによる懸命なサプライズです。
好かれたくてたまりません。

スコップの衣装を着てステージに登場したとたん、こちらの思惑通り、客席が沸いたのですが、言ってしまえば「衣装を着ただけ」で、とくに僕が何か素敵なパフォーマンスをしたわけでもありません。

それでも、衣装のクオリティーがベラボーに高いので(ミュージカルの衣装が凄いのよ!)、客席のボルテージが上がったわけですが……盛り上がっている客席を見て、黒西野が脳内でゲス算盤をはじき、自分に問いかけます。

「映画の舞台挨拶の予算(広告費)だけで、これだけの盛り上りを作れただろうか?」

答えはもちろん「NO」で、『作り込まれた衣装』というのは、皆さんが思っているよりもお高いんです。

こういう(ミュージカルの)衣装は、踊れるようにメチャクチャ軽い素材で作られています。
「鉄」のようなパーツも、実際はメチャクチャ軽くて、「鉄」に見えるように、あの手この手で工夫されているんですね。

僕が描いたイラストを、日本トップクラスの舞台衣装チームが忠実に再現してくれました。
もちろん、耐久性もバッチリ。

キャストのテンションが上がるように、キャストにしか見えない場所に『SCOOP(スコップ)』というネームも彫られています。
♯遊び心もバッチリ

こんなものが、「たった1日の舞台挨拶の予算」で作れるハズもありません。
つまり、「ミュージカルを作っていたから、映画の舞台挨拶のクオリティー(お客さん満足度)が上がった」というわけですね。

このへんは「ミュージカルの宣伝にもなるし」みたいな感じで、「ミュージカル→映画の舞台挨拶」の国境線をサクッと越えられたのですが、「ミュージカル→歌舞伎」は、どうでしょうか?

やっぱり、ミュージカルと歌舞伎は、まったく別のモノを作らなきゃいけない。衣装を使い回すなんて、もってのほか。

……と思っていたのですが、先日、『スナック西野』(※西野が隔週で配信しているYouTubeチャンネル)のゲストで来られた市川海老蔵さんから、「ミュージカルで作ったネタ、ひととおり全部ください」と、真っ直ぐな目で言われて、煙が晴れました。

「使いまわしはいけない」と思っていたのですが、各作品(各メディア)で、すべてゼロから作っていたら、それこそ他作品との差別化を図れないわけで、
絵本の素材を映画に使いまわし、映画の素材をミュージカルに使いまわし(※実際に映画用に制作した楽曲を使用したりします)…そうした「使い回し&継ぎ足し」で今の『えんとつ町のプペル』があります。

にも関わらず、「ミュージカルのネタを歌舞伎に使いまわすのはチョット…」と思っていた西野。
何がブレーキをかけていたのかを考えてみたのですが、おそらくは「ジャンルの近さ(※どちらも舞台作品)」と、「スタッフの目」だと思います。

「あの衣装を、こっちの作品でも使うんだ…」という、ある種のガッカリを生んでしまうのではないか?……と勝手に考えてしまっていたんですね。

でもでも、よくよく考えてみると、ミュージカルが先だっただけの話で、たとえば来年1月に上演する新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』用に開発した舞台装置などを観たミュージカルスタッフは、「あの舞台装置、借りれませんかね?」と普通に言ってくると思います。

そういった感じで、本来であれば『眠らせていた資産』を共有できることこそが、「多ジャンル展開できる作品」の強みで、海老蔵さんの言葉を受けた直後、「ミュージカルと歌舞伎はキッチリと分けなきゃダメだ!」と考えていた西野亮廣を秒殺してやりました。

そんなこんなで、まだ少しだけ内緒ですが、新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』の記者会見は、会社やホテルなどではなく、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のステージセットの中でやってやろうかと企んでおります。

「ウン千万円かけた会見場」は、これまで誰も見たことがないと思うので、ニュースを見たお客さんは勿論のこと、会見に足を運んでくださる記者さんやカメラマンさんにも楽しんでいただけると思います。
あと、ドサクサに紛れて、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の宣伝もできます(笑)。
#二毛作

こうなってくると面白いのが、「脚本の書き方が少し変わってくる」というところです。
脚本執筆の段階で、ミュージカルにも、歌舞伎にも使えるアイテムを出しておけば、ミュージカルの予算と歌舞伎の予算で、そのアイテムを割り勘できるわけで、そのアイテムのクオリティーをベラボーにあげることができます。

映画とミュージカルと歌舞伎という全ての作品の「原作・脚本」を担当しておいて良かったなぁと思う今日この頃です。
そんなこんなで、今日はこれから歌舞伎の脚本を書きます。
来年1月のスケジュールは空けておいてね。

※新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』は、抽選先行販売中です!

西野亮廣氏ポートレイト

Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1 本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170 万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。

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TEXT=西野亮廣

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