師匠か、恩師か、目をかける若手か、はたまた一生のライバルか。第20回は、ワクワクがつなげるふたり。
楠本修二郎が語る、梅澤高明
G1サミットに参加した時、ここはビジネスやテクノロジー、金融などの話が中心なんだろうな、と勝手に思っていました。そこに「文化的側面が成長戦略にとって大事」という梅澤さんの話。衝撃でした。すぐにお声がけしたんですが、見ている視点がどんどん重なっていって。ひと目惚れでした。東京に戻ってすぐ会ってもらったんですが、今度は、うまく話を引き出してくださるので僕がたっぷり語ってしまい(笑)。
一見クールに見えるんですが、実はとても熱い人です。このギャップがかっこいいんですよね。日本にいない時も多いし、猛烈に忙しい人なのに、僕たちの店のオープニングに駆けつけてくださったりする。「ALFRED TEA ROOM」も「WIRED HOTEL 浅草」も「銀座大食堂」も。
梅澤さんと一緒にいると、小学校5、6年の頃を思い出すんです。大人の世界もちょっとわかっているけれど、子供らしいいたずらもしてみたい。あの頃の、なんともいえないワクワクするような時間が過ごせる人なんです(笑)。
(これより、WEB限定テキスト)
ビジネススクールのグロービスでは、梅澤さんの授業は厳しくて有名です。でも、本当に厳しい人は、本当は優しい人なんです。だから、グロービスでは「梅ちゃん講座」と呼ばれていたりする。とても梅澤さんらしいと思いました。
そして、とにかく何でも楽しむ人。コンサルティングの仕事も楽しまれている。きっと、自分ごとにする能力が高いのだと思います。だから、引き出しがどんどん増殖していくんです。
日本の未来をどうするか。いろんな視点を持つ仲間たちが集まった梅澤さんとの共著本『NEXTOKYO』も。これからもワクワクしましょう。
梅澤高明が語る、楠本修二郎
初めて会ったのは9年前、G1サミットの第1回目でした。カンファレンスで「文化産業を次の成長産業に」という話をしたんですが、懇親会で声をかけられて。
当時すでに数十の飲食店を展開されていましたが、話を聞くと文化やライフスタイルが活動の中心に据えられていました。それが日本の本来の強みではないか、ということを鋭く見抜かれていて。この人は単に飲食ビジネスをやっている人ではないぞ、とわかったんですね。
2010年、政府のクール・ジャパン官民有識者会議の立ち上げの話がきた時、議論に加わってほしいとお誘いしました。分野横断で的確に物事を見て未来を語ることができる人なので。
とにかくチャーミングです。いつも人が集まってくる。常に時代の先を見ているんですが、それでいて目の前のビジネスも結果を出されているので、その総合力には脱帽です。これからも楽しいこと、面白いこと、やんちゃなことを、いろいろな分野で仕掛けていきましょう。
(これより、WEB限定テキスト)
一番印象に残っているのは、クール・ジャパンの調査で一緒に上海に行ったときです。昼間は現地の消費者インタビューや店舗訪問で相当ハードなスケジュール。そして夜は戦略を組み立てる議論にお付き合い頂いたんですが、とにかく熱かった。夜中までガンガン意見を交わして。ここまで真剣勝負で取り組んでもらえるのか、と感動しました。
楠本さんは、何か新しい大事なテーマがあると、必ずお声がけさせて頂くパートナーです。時代の風を読み、優れた想像力とクリエイティビィティーで未来を構想できる人なので。
Takaaki Umezawa(右)
A.T.カーニー 日本法人会長 1962年生まれ。日産自動車を経て、A.T.カーニー(ニューヨークオフィス)入社。日・米でコンサルティングに携わる。経済産業省・内閣府等の関連委員。
Shujiro Kusumoto(左)
カフェ・カンパニー代表取締役社長 1964年生まれ。大学卒業後、リクルートコスモス、大前研一事務所を経て2001年に創業。コミュニティの想像をテーマにWIRED CAFE等を企画・運営。