木造にこだわり、世界へ日本の伝統と木造建築を広める大工集団「鯰組(なまずぐみ)」。木の温もりを大事にし、職人の手によってつくられた手づくりの家は、海外の資産家からも声がかかるほど。そんな鯰組とゲーテがタッグを組み、施主も「鯰組」のいち大工として、究極の家づくりを楽しむ「普請道楽(ふしんどうらく)」が始まる。【GOETHE×鯰組「普請道楽」の詳細はこちら】
世界を股にかける大工集団
飛鳥時代、聖徳太子が都づくりのために組織した集団のうち、木を扱う匠を「右官」、土を扱う匠を「左官」と呼んだそうだ。この「右官」こそが、現代の大工である。日本建築を生みだす職人は他にも、畳師、石工、庭師など専門ごとにプロフェッショナルがいる。それら現代の匠を集め大工集団として活動するのが「鯰組」である。
鯰組代表の岸本耕氏が大学の建築学科に入った時に選んだのは、建築家ではなく大工。
「最初は建築家を目指したのですが、しだいに家をデザインするだけの仕事に疑問を持つように。そんな時にジャン・プルーヴェを知ったんです」
家具デザイナーであり職人でもあったプルーヴェは1950年代に活躍した建築家。その家具はヴィンテージとして希少価値が高く、愛好家の間でも人気。
「彼の手がける家は鉄骨づくりなのですが、その部材もパーツをひとつひとつデザインしてつくっていた。そこが面白かった」
そこで"日本のプルーヴェ"はいないのかと探して出会ったのが、大工棟梁の田中文男氏だった。その風貌はラストサムライならぬ"ラスト棟梁"。
「田中さんは神社仏閣の建築や補修に携わる宮大工として有名でしたが、実は日本家屋の調査研究にも長けた方で、東京大学と古民家の調査を行ったり、地域の木材の利用方法を探るために実験住宅をつくったり。僕は田中さんの考え方に興味を抱き、弟子入りしました」
そこで家づくりの一から十までひとりでやる楽しさを知り、13年前に鯰組を設立。池袋にある築70年の建物1階をカフェに改修して、2階に事務所を構えた。そのカフェの内装が評判を呼び、やがて著名人の自宅や、文化財修復の仕事まで手がけるようになる。さらに最近は日本家屋を建てたい、茶室をつくりたいという海外の資産家からも声がかかるまでになった。
そんな世界的大工集団となった岸本耕氏率いる鯰組とゲーテがタッグを組み始動させたのが、『普請道楽 鯰組 by GOETHE』プロジェクト。
「普請道楽」とは、家を建てたり、修理するのを"楽しむ"こと。柱にふさわしい木材を求めて施主自ら山へ入り、名工に注文をつけながら欄間(らんま)をしつらえたり。そうやって職人とできあがるまでの過程を粋に楽しむ。ただし令和の「普請道楽」は、かつての遊びをさらに深化。例えば依頼主自らがノミやカンナを振るってみるのも面白い。
伝統と手づくりの家を広める大工集団「鯰組」は、ともに道楽する相棒としては、唯一無二の存在なのだ。
「残すべき家」の代表作! 「鯰組」×京都・鳴滝の家
京都市右京区にある数寄屋造り「京都・鳴滝の家」。築150年の木造建築を鯰組が現代風に住みやすく改修した。
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京都・鳴滝の家で説明会&物件巡りを実施!
設計、素材選び、施工、仕上げまで職人の手作業にこだわる鯰組とともに、“つくる過程”も楽しみながら家づくりを行う「普請道楽 鯰組 by GOETHE」。前回好評を博した当プロジェクトの説明会を、2023年も初夏の京都で行う。開催日は2023年5月26日(金)と7月8日(土)。京都の奥座敷・鳴滝に赴き、自然風景と日本家屋が融合する心落ち着く京都時間を堪能し、その後、複数の物件を巡る。申し込みは特設バナーからアクセスを。
日時:2023年5月26日(金)または7月8日(土)
会場:鯰組が手がけた「京都・鳴滝の家」
応募期間:各開催日の3日前まで
参加費:無料(交通費は自己負担)