「普請道楽 鯰組 by GOETHE」プロジェクトの新規説明会を2023年5月26日(金)または7月8日(土)に開催。その詳細をお知らせするとともに、今回は、京都・金閣寺そばで始動した当プロジェクト第1弾もレポートする。【説明会の詳細はこちら】
舞台は金閣寺徒歩2分の町家
2023年2月、「普請道楽(ふしんどうらく) 鯰組(なまずぐみ) by GOETHE」プロジェクトの第1弾が京都で幕を開けた。金閣寺そばの一軒家に関係者が集まり、「清祓(きよはら)い」の儀式が執り行われたのだ。施主自らが家をつくり、遊んで、住まうという「現代版・普請道楽」プロジェクトを体感すべく、2022年夏に開かれた「茶事&大工体験会」に参加した応募者の想いがかない、ついに実現にいたったのである。
施主(写真上)は、東京都在住の井上さん。40年前に都内でデザイン会社を起こし、日本を代表する企業やクライアントのさまざまなデザイン要望に応えてきた。現在は会長職に就き業務の後方支援をする傍ら、同年代の女性4名(年齢の合計は305歳!)とYouTubeチャンネル『BABA ナイスデイ』を立ち上げるなど、アクティブな日々を過ごしている。
「孫から誘われて、鯰組さんのプロジェクト体験会に参加したのがきっかけです。それというのも、施工される棟梁の岸本耕さんが、お茶人でもあるとお聞きしたから。このところ、茶道やその世界観に心酔していて、岸本さんがつくられた茶室をぜひ拝見したいと思ったんです」
井上さんがその体験会で目にしたのが、呉服商の邸宅を鯰組が改修した和洋融合の趣深い日本家屋だった。伝統的な工法や大工仕事の見事さ、静かだけれど生き生きとした庭、凛として美しい茶室。そのすべてに、瞬時に魅せられたという。
「何より素晴らしいと思ったのは、古いお家を、快適に暮らせる現代的な建築にされていることでした。こうして改修すれば、次の世代、次の時代へと受け継いでいけるでしょう」
井上さんは、古くなった民家や町家を簡単に壊してしまう現在の建築状況に苦い思いを抱いていたそうだ。こうして修復、改修すれば、古い家もまた生き返る。その過程に自らが参加するというこのプロジェクトと、自分の価値観が呼応することを改めて感じたそうだ。
その後の行動と決断は早かった。さっそく東京から近い長野県の某別荘地にある物件をいくつか内見した。なかには広い敷地がある家もあって、「菜園をつくって野菜を育てるのもいい」と思ったそうだ。だが、山の中の別荘地は、生活には不便。運転免許のない自分が、ひとりで暮らすのは難しいと感じた。
次に見たのが、京都のこの家。京都なら東京から新幹線で2時間と少し。コンパクトな街だから暮らすにも、観光を楽しむにも便利。何より素晴らしいのは、世界遺産の金閣寺(鹿苑寺)まで徒歩2分の立地。歴史や茶道が好きな自分を、呼び寄せてくれたのかと思ったそうだ。
目の前に大文字の送り火。京都の風情を満喫できる
「金閣寺のそばなんて、願ってもなかなか住める場所じゃないでしょう。玄関を入ったところに光の入る小さなお庭や離れの小間(こま)も設(しつら)えた、趣あるつくりだったところも気に入りました」
お茶室をつくるにはちょうどいいと思ったそうだ。岸本さんにそれを話すと、もっと素晴らしい場所があると、2階に案内された。窓を開くと、なんと目の前に「大」の文字が見える。京都の夏の風物詩、8月16日に行われる仏事「五山送り火」の左大文字山(大北山)が、真正面にあるのだ。すると岸本さんは、「柱だけを残してガラス張りにすれば、この大文字をお軸に見立てて、お茶会ができますよ」と提案してくれたそうだ。
この言葉が決め手になったと井上さんは言う。
「こんな年になって、また何か新しいことに心が動かされるなんて思ってもいませんでした。若い頃から精一杯仕事をしてきて、自分では人生も終盤なのかと思ったこともあります。ところが、この物件と出合ったことで、まだまだ楽しみや発見があると思えた。ステキでしょう」
ここを買って改修すると決めた当初、家族は「無謀すぎる」と反対したそうだ。だが、井上さんは屈しなかった。なぜなら、鯰組の技量や岸本さんがつくる茶室に一目置いていたから。自分の家も、きっとあんなふうになると確信できたのだ。
「もうひとつ、心が楽になったのが、これはある意味投資だと思えたことでした。この古い家を蘇らせれば、きっと付加価値がつく。私もお茶会などで使う予定はありますが、その後は、どなたかにお譲りすることもできるんです。金閣寺や桜で有名な平野神社もすぐの場所。こんな贅沢はありませんよね」
そんな井上さんの情熱もあり、実際に現地を見たことで、家族の心も動いた。完成は2023年夏頃。この家を、鯰組の職人たちとともに、どう蘇らせていくか。「楽しみでしかない」と井上さんは言う。
現代版・普請道楽で家づくり、街づくりを謳歌したいメンバー募集
設計、素材選び、施工、仕上げまで職人の手作業にこだわる鯰組とともに、“つくる過程”も楽しみながら家づくりを行う「普請道楽 鯰組 by GOETHE」。前回好評を博した当プロジェクトの説明会を、2023年も初夏の京都で行う。開催日は5月26日(金)と7月8日(土)。京都の奥座敷・鳴滝に赴き、自然風景と日本家屋が融合する心落ち着く京都時間を堪能し、その後、複数の物件を巡る。
鳴滝では、実際に数寄屋建築や日本建築、和洋を兼ね備えた邸宅の機能美に触れ、居心地のよさを体感してもらう。鯰組棟梁の岸本耕さんが、築150年の邸宅をどのようなコンセプトで蘇らせたか、また、建材選び、左官の技といった伝統工法や工夫について、建築のひとつひとつを細かに解説してくれるという。いずれ「現代版・普請道楽」でどんな大工作業を体験するのか、想像が膨らむはずだ。
かつて一般的だった手づくりの家は今、稀有な存在となりつつある。参加者は、プロジェクトの一員となってすべてのつくる過程を楽しみながら、伝統と最新の技術で守るべき家を「継承・昇華」していく。それは、美しい街並みの創造であり、日本人として忘れかけているものを取り戻す作業かもしれない。「現代版・普請道楽」を通じて、その地域固有の材料を用い、地元職人を招聘することで地域を活性化させるという新しい概念。今回の京都企画では、売り上げが激減してしまったブランド材、北山杉を改修に取り入れ、守っていく狙いもある。
鯰組とともに、どんな普請道楽を実現できるか。「京都で暮らしてみたかった」という人も投資物件を探していた人も、見て、触れて、五感で感じる体験会に、ぜひ応募してほしい。
プロジェクトの一員となって完成までを味わう。それが「現代版・普請道楽」だ!
【普請道楽 鯰組 by GOETHE】
設計、素材選び、施工、仕上げまで職人の手作業にこだわる鯰組とともに、“つくる過程”も楽しみながら家づくりを行うプロジェクト。
舞台は京都。数寄屋建築や日本建築などの機能美を活かし、京都固有のブランド材、北山杉を改修に取り入れるなど、伝統と最新の技術で守るべき家を「継承・昇華」してつくる過程を、参加者は楽しむことができる。京都を「暮らすように楽しむ」ベく、あなただけの邸宅を手に入れてみませんか?
日時:2023年5月26日(金)または7月8日(土)
参加費:無料(交通費は自己負担)
※5月26日(金)、7月8日(土)のスケジュール
11:00 京都駅集合。車で高瀬川近くや祇園近くの町屋など4つの物件を巡り内見(件数は予定)
16:00 京都の奥座敷・鳴滝に赴き、鯰組が手がけた「鳴滝の家」にて茶事を楽しみながら、質問会を実施
17:10 終了後、京都駅へ
17:45 京都駅解散
<物件の一例>
CASE 1:祇園八坂神社・円山公園内の超一等地!
CASE 2:二条城まで600m! 簡易宿所の許可あり物件!
CASE 3:国宝の清水寺・八坂神社が徒歩圏内! 移築対応可
※変更の可能性あり
↓↓↓↓申し込みはこちらから↓↓↓↓