TRAVEL

2025.02.18

連載 セレブ御用達・旅コンシェルジュが行く、バグり旅 手ぶらでもOK!? 究極の南極・北極ラグジュアリー旅とは

セレブリティがこぞって旅のコーディネイトを依頼するのが、富裕層向けコンシェルジュサービス、アルカディアの才津香果(さいつかぐみ。以下かぐみ)さん。これまで自身の旅にかけてきた自腹総額は9億円超え。非日常を求め世界を回り続ける彼女が紹介する、脳がバグる驚きの旅とは。連載第11回目は、豪華客船でかなえる、最も快適な地球最果ての地への航海。

南極大陸で子ペンギンに遭遇
南極大陸で子ペンギンに遭遇。赤ちゃんペンギンの毛は早くて2週間ほどで抜け替わってしまい、ふわふわの姿を見られるのは貴重。南極半島の北側は海に流れだす巨大な卓上氷山が見られるなど荒々しい風景が。逆に南側は野生動物の息遣いが伝わってくるような海生哺乳類の楽園。

動物たちの世界にお邪魔する南極大陸

人間が生きてはいけない極寒の地。世界各地を旅してきた旅のエキスパートたちが、いつかはたどりつきたいと願うのが、地球最果ての地、南極あるいは北極だ。氷に閉ざされたその場所を旅するなら、本来は死をも覚悟して一歩一歩進まなければいけない。けれど南極も北極も、実は豪華クルーズ船やプライベートジェットに乗って、ワインを味わいながら優雅にたどりつくことができるのだ。

「南極・北極へのエクスペディションクルーズは今、更に進化を続けています。ヘリコプターや潜水艦を搭載したクルーズ船や、プライベートジェットで南極大陸まで直接降り立てる旅まであるんです。ラグジュアリーなクルーズ船の場合、ゲストとクルーの数は同数に近く、質の高いサービスを受けることが可能です。全室スイートルーム、テラスや専用バトラーつき。防寒衣類やブーツもすべて貸しだし可能で、船内で販売もしているため、究極、手ぶらで乗りこんだっていいんです」

南極大陸への航海は、南米チリのプエルト・ウイリアムスからスタート。世界で最も荒れ狂う海峡と呼ばれるドレーク海峡を抜け、たどりつく南極半島。上陸すれば多種のペンギン、アザラシ、クジラなど数々の動物たちを見ることができる。

冷たい空気を全身に浴びて北極圏を実感する

一方、北極航路はノルウェー北方、スヴァールバル諸島のロングイールビュエンが出発港となる。ノルウェー北部の大自然を眺めながら北極圏を進み、氷の世界でホッキョクグマを探す。

「ホッキョクグマは絶滅危惧種であり、2万6000頭ほどしかいないと言われています。ホッキョクグマを見るために北極航路に乗るのは3回目というゲストにも出会ったことがあるくらい難しく、出逢えたらとてもラッキーです。一方南極を代表するペンギンは人に対して警戒心もなく、南極では多種のペンギンに出会えます。個人的には最初は南極がお薦めです。南極大陸を踏み締めれば、今度は北極圏へ、更には南極点や北極点まで! という思いがきっと募りますよ」

豪華クルーズ船の場合、レストランは船内にいくつもあり、寒いなか、敢えてオープンデッキで、石焼プレートでステーキやロブスターを焼いてもらうグリルレストランも体験したいもの。氷の大地を眺めながら、熱々の肉を頬張れば、まるでホッキョクグマになったかのような気分に!?

「流氷の間でのシーカヤック体験など、アクティビティも充実しています。なかには極寒の海に飛びこんで数秒で引き上げてもらう、という驚きのアクティビティも。水着1枚で飛びこむ体験は忘れられない体験でした。医療スタッフやアクティビティスタッフのサポートが万全なラグジュアリー船だからできることです」

旅慣れたセレブリティたちの好奇心は、とどまるところを知らないのだ。

氷の間を進むクルーズ船
北極海では氷の間を進むクルーズ船。船内は暖かく、洗練された部屋で窓から流氷を眺めることもできるけれど、時にはその肌を刺すような寒さを甲板で感じてみるのも極寒の地を訪れる醍醐味。身体の芯まで冷えたら、全室に完備されている広い浴槽にドボンと浸かればいい。

才津香果/Kagumi Saitsu
1982年生まれ。アルカディア代表取締役。国内外の富裕層に向けた、会員制のコンシェルジュサービス会社を運営。商品手配から、医療の紹介、ラグジュアリーな旅の手配までオーダーメイドで富裕層の要望をかなえる。 Instagram:@kagumi.trip

TEXT=安井桃子

PHOTOGRAPH=笠谷龍(アルカディア)

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