空間もおもてなしもすべて1組のゲストだけのもの――。完全プライベートな空間で、誰にも邪魔されることなく過ごす美食の時。垂涎のグルメと優雅な滞在がかなう、とっておきのオーベルジュをご紹介。今回は滋賀・高島の「奥琵琶湖 海津 湖里庵(オクビワコ カイヅ コリアン)」。【特集 オーベルジュの誘惑】
琵琶湖の恩恵を享受する宿で、朝も夜もその美しさに癒やされる
滋賀県高島市は北を福井県に接し、東は琵琶湖に面する湖西の町。古くから畿内と北国を結ぶ最短路として開かれ、湖上交通の要として栄えてきた。
天明4(1784)年創業の鮒寿しの老舗「魚治」が、1990年に料理旅館「湖里庵」を開業。店名は、常連だった小説家・遠藤周作の雅号に由来するという。その後、休業を経て1階は琵琶湖を望むカウンターダイニング、2階はリビングや和室などもある一日一客のオーベルジュとして2021年に再開した。
琵琶湖の美味を満喫できると評判の料理は、ホンモロコなど湖魚や鮒寿しといった湖の幸に加え、滋賀で採れる野菜や山菜を使った和食のコース。
北欧家具を配した湖前の部屋で夜は湖面に浮かぶ月を眺め、朝になればまた、優しい味わいの朝食をいただく。移り変わる琵琶湖の風光とともに、ここにしかない穏やかな時間が日常を忘れさせてくれる。
この記事はGOETHE 2024年8月号「総力特集:オーベルジュの誘惑」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら