空間もおもてなしもすべて1組のゲストだけのもの――。完全プライベートな空間で、誰にも邪魔されることなく過ごす美食の時。垂涎のグルメと優雅な滞在がかなう、とっておきのオーベルジュをご紹介。今回は富山・南砺の「井波古香里庵 別邸 瑞雲(ズイウン)」。【特集 オーベルジュの誘惑】
木彫りの町の贅沢なオーベルジュ
富山湾は「天然の生け簀(す) 」と称されるほど豊富な魚介類に恵まれた漁港。日本に生息する魚介約800種のうち500種あまりがここで水揚げされるといわれる。「井波古香里庵 別邸 瑞雲」は、そんな富山ならではの海の幸、山の幸を愉しめる1日1組限定のオーベルジュ。
金沢・湯涌町にある温泉宿「古香里庵」の別邸として、昭和初期に建てられた呉服問屋だった町家を改装し、2023年12月に開業した。蔵を利用したレストランでは、毎朝届く魚介類を新鮮なまま客前で最上の料理に仕立ててくれる。
町家の風情を残した客室は、広々として寛げるモダンなリビングと心休まる和室。地元「庄川清流温泉」のお湯を湛たたえた内風呂に加え、屋外にも温泉露天風呂を備える贅沢なつくりも魅力的だ。
朝食の後は「瑞泉寺」の井波彫刻や門前の八日町通りをそぞろ歩き、古きよき伝統文化にも触れる休暇を過ごしたい。
この記事はGOETHE 2024年8月号「総力特集:オーベルジュの誘惑」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら