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2022.11.14

話題の日本旅館「坐忘林」クリエイターが新たに手がけた、宿「SHIGUCHI/シグチ」とは

かつてないスタイルの日本旅館として話題となったニセコの「坐忘林」。そのクリエイティブ・ディレクターが新たに手がけた宿「SHIGUCHI/シグチ」とは。

SHIGUCHI/シグチ

会津から移築した古民家3棟に5室が入る。全室に源泉掛け流しの温泉つき。

究極にリラックスした状態で見るアート

2015年に開業したニセコの「坐忘林」は、かつてないスタイルの日本旅館として旅人たちを驚かせた。クリエイティブ・ディレクターとしてその宿を手がけたショウヤ・グリッグ氏が、’22年5月、再び前例のない宿となる「SHIGUCHI/シグチ」を開業。立地はニセコの花園エリアに広がる森の中だ。人里離れた静かな地に、3棟の古民家がひっそりと佇む。

コンセプトは“ギャラリーステイ”。レストラン棟の「そもざ」にも客室棟にも、グリッグ氏が集めたアートや骨董、工芸品が無数に並ぶ。まるで美術館や博物館の中に泊まる感覚だ。

SHIGUCHI/シグチ

左上:最も広い客室「火」(351m2)には3つの寝室があり8名まで宿泊可。左下:家の左側が「地」、右側が「水」と分かれている。全室が2階まである。右:客室「地」(144m2)と「水」(155m2)が入る棟の入口には森を背景にする壺が鎮座。

「ギャラリーと考えたら、白い壁じゃなくても、よくあるホテルの造りじゃなくてもいい」とグリッグ氏が言うとおり、枠に捉われない空間デザインも見もの。宿名である仕口(日本建築の柱の結合部分)を見せつつ、情緒ある木材にモダンな鉄の廃材を合わせたりするのも面白い。

個性で魅了しながら、裁ち落としの窓の向こうには森の絶景が広がり、大自然の額縁としての空間づくりも見事である。特に窓際に置かれた岩風呂で天然温泉に浸かる時間は至福のひと時。森を目の前に、川の音や鳥の声、そよ風とともに湯に包まれれば、心身ともにほぐされる。究極にリラックスした状態で見るアートはより響くものがあり、それはここだけの好循環なのだ。

SHIGUCHI/シグチ

「地」のリビング。全室に薪ストーブを設置する。

SHIGUCHI/シグチ

左:敷地内のいたる所にアートや骨董が点在する。右:部屋着は肌触りのよい「ヨーガンレール」。

SHIGUCHI/シグチ

左:客室棟に隣接するギャラリーレストラン「SOMOZA」。右:蕎麦粉のガレットと地元食材で作ったエッグベネディクト。

SHIGUCHI/シグチ
住所:北海道虻田郡倶知安町花園78-5
TEL:0136-55-5235
料金:1室1泊(2食つき)¥70,400~(2名1室の1名料金)

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TEXT=大石智子

PHOTOGRAPH=松川真介

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