京都には知られざる歴史を有する寺や庭も多い。今回ゲーテでは、自らを「石おたく」と称する、庭園デザイナーの烏賀陽百合さんとともに、普段はなかなか拝観できない名庭を巡った。奥深い京都の魅力をご紹介。【特集 京都の秘められしスポット】
昭和の実業家が自ら作庭した鞍馬の隠れ庭
神々が宿ると伝わる鞍馬の手前、二ノ瀬の里・安養寺山麓に広がる庭園。1962年に京都の実業家・青野正一がこの地を手に入れ、整地開発して白龍園の原型を完成させた。作庭には当時の社員や青野の家族、地方の手伝い衆が携わり、造園会社など専門家には頼らなかったという。
「古い祠の跡が見つかった場所に白龍神社を興し、その後、庭をつくられたそうです。当時は一般には公開されていなかったのですが、現当主が美しい庭を多くの方に見ていただきたいと、春と秋のみ公開されています」(烏賀陽さん)
京都人も知らない貴重な公開だ。
Hakuryu-en
住所:京都府京都市左京区鞍馬二ノ瀬町106
※2022年秋の公開は10月14日~12月4日。予約はHPから、あるいは往復はがきで。