ホテル海外旅行が制限されている今、日本のよさを見直す旅への注目が高まりつつある。ひっそりとプライベート感に溢れ唯一無二の体験ができる滞在のスタイル。自分の時間を取り戻せる空間でゆったりと過ごす、そんなホテル&宿を紹介。
熊野別邸 中の島がある中ノ島の全景。日本でも随一の景勝地としても知られる紀の松島のなかに浮かぶ、温泉が湧く小島だ。
島・旅館・温泉すべてを貸し切る非日常ステイ「熊野別邸 中の島」
対岸から専用の送迎船で約5分。旅館へと続く島の桟橋に降り立った瞬間、その島のすべてが自分だけのものになる。そんな夢のような滞在ができるのが和歌山・勝浦湾に浮かぶ小島そのものが敷地という熊野別邸 中の島だ。
すべての部屋から紺碧の海と奇岩の多い勇壮な島々を眺めることができるこの宿が、今年4月からスタートしたのが、1島1旅館をまるごと貸し切り、温泉を含む島内のすべての施設とスタッフを独占できるという特別プランだ。
「凪の抄」の外観。前に延びるアプローチは、専用送迎船が着く桟橋へと続く。
「凪の抄」の露天風呂つきラグジュアリーデラックス。広さは75㎡。
モダンな新館「凪（なぎ）の抄（しょう）」、あるいは落ち着いた雰囲気の「潮聞亭（ちょうもんてい）」から好きな部屋を選択し宿泊。食事はゲストのためだけに設えられた特別なテーブルで、日本でも有数の水揚げ量を誇る那智勝浦（なちかつうら）のマグロや、あっさりした身を持つ梅真鯛、きめ細かな肉質を持つ熊野牛など地元・和歌山の食材をふんだんに使用した会席料理が供される。もちろん料理長もひとり占め。目の前でゲストのために一品一品丁寧に仕上げていく。
地元食材を使用し、熊野の四季を楽しめる会席料理。
この宿の大きな魅力のひとつが、源泉を6本も所有する豊富な湯量の天然温泉。海に面し、湯に浸かればそのまま青い海に吸いこまれそうな露天風呂「紀州潮聞乃湯」や、干潮時のわずか数時間だけ現れる海沿いの足湯などを、滞在中24時間独占できるのは、このプランだけの特権だ。
100％源泉掛け流しの露天風呂「紀州潮聞之湯」。目の前に波が打ち寄せ、その開放感は圧倒的。貸し切り露天風呂も完備している。
島での過ごし方も、ゲストの思いのまま。チヌ（クロダイ）やガシラ（カサゴ）などがよく釣れるという釣り体験は人気のアクティビティ。初心者でもスタッフがサポートしてくれ、釣った魚はシェフに調理してもらうこともできる。
晴れた日ならば、島を巡る遊歩道の散策を。四季の花々が咲く道を進んでたどりつく山頂の見晴らし台からは、那智勝浦に点在する大小130以上の島々「紀の松島」の絶景が広がる。
到着時間に合わせ、スタッフにテーブルをセッティングしてもらい、眼前に壮大な景色を眺めながらのランチタイムもいい。また、この見晴らし台から見る日の出観賞も格別で、水平線から昇る朝日に島々の姿が浮かび上がる感動的な風景を、日の出時間に合わせて山頂に用意されるコーヒーや温かいレモネードと堪能できる。
今年7月にオープンしたグランピングキャビン。広々としたスペースが心地よい。
海を目前にした開放感溢れるグランピングキャビンで、新鮮な魚介のBBQに舌鼓を打つのもいい。夜は広がる星空の下、さざ波の音をBGMにウイスキーグラスを傾ける。そんな誰にも邪魔されることなく、心置きなく過ごせるプライベートな時間がここにはあるのだ。
とことんラグジュアリーに徹するなら、アクセスにもこだわりを。大阪からヘリをチャーターすれば空の旅を楽しみつつ、島までわずか1時間で到着できるという。
大阪からはヘリのチャーターが可能。所要時間は約1時間で、片道¥350,000。
1島1旅館を贅沢に貸し切るオールインクルーシブのこのプランは、2名で100万円。海外渡航が難しい今、国内での上質な旅を望むエグゼクティブたちからも、すでに注目を浴びている。日常とは隔絶した島で、最高の食と特別な体験、そして極上のもてなしを提供してくれる至れり尽くせりの宿泊。そんな唯一無二の時間を、ここ熊野別邸 中の島で手に入れてはいかがだろうか。
和歌山 那智勝浦
熊野別邸 中の島
住所：和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦1179-9
TEL：0735-52-1111
客室数：44室
料金：1島1旅館貸し切りプラン¥1,000,000～（2名1室、税サ込 ※1名追加毎にプラス10万円）
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