月1アベレージゴルファーこそ行うべきデータ分析法

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム54回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

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やってみよう、はじめてのラウンドデータ分析

アマチュアのスコアアップのためにはコーチをつけることが上達の近道だと何度か書いたが、それと同じくらい大事なのがデータ分析だ。今回は自分のラウンド内容を記録して、上達に役立てる方法を紹介したい。

そもそもラウンドデータを分析することを勧めると「それは上級者やプロのやる事」「技術があるからこそ意味がある事」と否定的な反応をされることが多い。でもこの考え方は真逆だ。

上級者やプロは常に高いレベルでラウンドを繰り返しているため、データに大きな波が表れにくい。データ上の差異よりも、感覚的に違和感がある部分をケアしたほうがパフォーマンスが上がる。またデータ分析はウィークポイントを確認してその穴を埋めることが目的のため、「技術がある人がやるべき」という指摘には当たらない。ウィークポイントが漠然としているアベレージゴルファーこそが取り組むべきことなのだ。

平均スコア1110~90くらいで、ラウンド回数が月1回ほどのアベレージゴルファーに共通するのは、自らのラウンドを振り返ったときの印象値がとても強いということだ。いいショット、悪いショットは覚えているが、1日のラウンドを俯瞰してフラットに分析することができていない。特定の成功、失敗体験に引きずられ「ティショットが良かった」「思い切りダフってしまった」などと印象値を優先して分析をしてしまうのだ。そんなときに役立てたいのが定量的なデータだ。

フェアウェイキープ率とパーオン率をチェック

まずはウィークポイントを見つけるためには5ラウンド程度の平均のフェアウェイキープ率、パーオン率を記録してみよう。

平均スコアで100を切るためには、目安としてフェアウェイキープ率とパーオン率ともに25%以上の平均値を保持しておきたい。プロは両カテゴリーで60%以上を記録している選手が多くいるためハードルが低いと感じるかもしれないが、シングルレベルのアマチュアでも40%前後で50%に届くのは少数だろう。フェアウェイキープ率が40%以上あるにもかかわらずパーオン率が20%を切るようなら、課題は2打目だ。2打目に打った番手をメモしておき、もっともパーオン率が低かった番手を中心に練習をする。

シニアや女性の場合、距離が長くてパーオンしない場合もある。その場合は既定のパーオン値に1打を足した独自のパーオン率を設定して平均値をとるといいだろう。

フェアウェイキープ率が25%に満たない場合は、ドライバーを中心に練習をする。そして15%に満たないようならいったんドライバーは諦め、より扱いやすいフェアウェイウッドでティショットをすることをオススメしたい。練習でドライバーが安定してきたらラウンドに復帰させるといいだろう。

データを取り続ける中で自分の今までの平均より10%以上下がるラウンドがあれば、それは調子のせいではなくスイング変調の黄信号だ。

ショットの方向性が大きく狂っている可能性があるので、方向性に大きな影響を与える体と腕の同調性をチェックする必要がある。手を逆にしてクラブを持つクロスハンドでの素振りや片手打ちなど、体と腕が連動して動くようなドリルを繰り返してみよう。

このようにわずか2つの指標を算出するだけでも、改善点が出てくる。毎回ラウンド後に「あのショット良かった、悪かった」と一喜一憂している人は、思い込みで練習内容を決めている可能性がある。記録を取り自分を見直せば、案外早くベストスコアが出せるかもしれない。


Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ


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吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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