拇指球に体重をかけるのがミスショットの原因!? ~世界No.1コーチ愛弟子・吉田洋一郎

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム16回目。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。
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ゴルフスイングの原動力は足裏から生まれる

あまり意識したことがないという人も多いが、コースに出るとフェアウェイやティグランドでも多少の傾斜がある。そのライの上で再現性の高いスイングをするのだから、グラつかず安定感のあるアドレスはとても重要だ。だからこそ芝の上で滑らないようにスパイクにも刃が付いている。

ただ1度意識し始めるとこの「安定感のあるアドレス」の感覚が難しい。ベタっと地面に足裏をつけようとするとかかと重心になりがちだ。足の裏のかかと側に胴体があるためそれは必然である。どっしりしている感じはするが、重心が後ろ側にあるためアドレスで作った前傾角度がスイング中に崩れやすく安定感を欠く。

その対処法的レッスンではあるが、拇指球(ぼしきゅう)に体重をかけるというものがある。野球の守備のように前後左右にすぐに動き出すことができる拇指球が良いとする指導法もあるが、そもそもゴルフは前後左右に体を移動させる運動ではない。

さらに拇指球に体重をかけ、スイング中ずっと一点で体を支えると体のスムーズな回転を阻害してしまう。その結果、回転不足でアウトサイドイン軌道のスライスを誘発してしまうことがあるので気をつけたい。

足裏を意識するのであれば親指の付け根、小指の付け根、そしてかかとを結んだ三角形で体重を支えるイメージをおすすめする。両足ともこの3点で体を支えるように立てれば、バランスの良いアドレスが作れる。

そもそも足の裏に意識を持つこと自体が難しいという人は、垂直にジャンプをしてみよう。着地をした時の体重の掛かり具合が、三角形でバランスよく体を支えている状態だ。これは傾斜地やバンカーなど立ちにくい状況でも使える。コースに出て何だか足元がぐらつくと思ったら、ジャンプしてからアドレスをセットアップしてみてほしい。

米LPGAで活躍する畑岡奈紗がアドレス前に軽くジャンプするルーティンを行っていたが、同じようにショット前にマネをしてみると下半身に意識が向かうことで重心が下がり、上半身の力が抜ける効果もある。

この体重のかけ方がマスターできれば、パッティングのアドレスもバランスが良くなり、ストロークも安定するだろう。


スイング中は体重をかかる場所が移動する

ちなみに足裏の三角形で体を支えるのはアドレスの話だ。スイング中は足裏にかかる体重が移動する

テークバックでは左足がつま先寄りに、右足がかかと寄りに体重がかかった状態になる。切り返し以降ではこれが逆になり、左足がかかと寄りになって右足がつま先に寄りになる。体重は真横に移動しているわけではないので、このように両足の対角線上に体重がかかった状態になるのだ。

これができていればフィニッシュで右足側に体重が残ってバランスを崩すことも、フルショットで左右に倒れ込むようなフィニッシュになることもない。軸をキープして回転することができるので、ピタッと停止することができ、美しいスイングになるだろう。

この体重の掛かり方をイメージして足元をグリグリ動かすだけでも下半身の使い方は変わってくる。この動きが適切にできることで、足裏の動きによって上半身やクラブも連動して動くためヘッドスピードも上がる。クラブを振る必要はないし、靴を履く必要もないので家の中で試してみてほしい。傘で素振りのまねごとをするより、ずっとスタイリッシュに美しいスイングに近づけるはずだ。

次回に続く

Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=トータルゴルフフィットネス


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吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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