シャンクが止まらない! などの不調の克服法 ~世界No.1コーチ愛弟子・吉田洋一郎

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム20回目。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。
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シャンクが治らなくてゴルフをやめたアマチュア

この前のラウンドはベストスコアが出たのに、今日はボロボロ。前半は大叩きしたが、後半は力が抜けて見違えるショットが出たなどということはよくあることだ。

毎日ゴルフをしているトッププロでさえ、オーバーパーを打つことは珍しくはない。ゴルフは結果に上下の波が出る、毎回良いスコアでプレーすることが難しい競技なのだ。

だが、好調なラウンドがあるだけいいのかもしれない。キャリアの半ばで思うようなプレーができずに悩み苦しみ、引退してしまうプロゴルファーは意外と多い。これはプロだけではなく、アマチュアも深刻な不調から抜け出せなくなりゴルフをやめてしまうケースがある。

アイアンショットのシャンクが治らず、5年間クラブを握らなかったというアマチュアが訪ねてきたことがある。ラウンド中にシャンクが出始めると止まらなくなり、ホールアウトをすることもままならなかったという。クラブをすべて処分して二度とゴルフをしないと誓ったが、後悔やあきらめきれない想いが沸き起こり再チャレンジをしようと思ったという。

不調というのは自然現象のように自分でコントロールできないと思われがちだ。しかし好調には偶然があるが、不調には必ず理由があるのだ。

不調を防ぎ、抜け出す方法とは?

ひとたびゴルファーが不調の泥沼にハマり、スイングすることもままならなくなると「自分はイップスではないか」と疑いはじめる。しかし、そのような発言をするゴルファーの大半はイップスではない。メンタル的な原因ではなく、単純に技術的な欠陥によって思うようにプレーができなくなっている場合が多い。

不調の原因はさまざまなものがあるが、不調に陥りやすいアマチュアはボールを打つことを強く意識している傾向がある。手先の感覚を主体にしたスイングでボールを目一杯叩こうとするため、インパクト周辺でのアジャストの動きが必要となりスイングの再現性が乏しくなる。そもそも人間の感覚は日々変わるため、手先の感覚だけで毎回ボールだけをピンポイントにとらえることは難しい。そのような不安定なスイングに自己流で様々な技術的な修正を加えると、スイングシステムが崩壊した状態となり収拾がつかない不調に陥る。

毎回安定したスイングをするためには「点」ではなく「軌道」の中でボールをとらえる必要がある。そのためには毎回同じ動きをすることができる大きな筋肉を使ったり、遠心力や地面反力などの外力を使うことが必要になる。

先に述べたシャンクに悩んでいたアマチュアは手先に頼っていたスイングから、下半身とクラブの遠心力を使うスイングに変えることでシャンクを克服した。器用な手先でその都度アジャストしていたスイングから、再現性の高いスイングシステムに変えることで多くの問題は解決する。

好不調が激しかったり、深刻な不調に陥っている人は手先が使いづらいグリップで練習をしてみてほしい。ショットやアプローチは右手と左手を逆にするクロスハンド、パッティングは右手が使いづらくなるクロウグリップなどで練習してみるといいだろう。この練習法では手先でアジャストするフォームでは上手く当たらないので、再現性の高い胴体部分や下半身などの部位を使う必要が出てくる。「ボールを打つ」から「軌道の中でボールをとらえる」という感覚が定着すれば不調から抜け出すヒントが得られるだろう。

不調はネガティブにとらえがちだが、次のステージに進むための試練と考えることもできる。不調を克服する方法は世の中にたくさんあり、答えは必ず見つかる。この試練が自分に何を与えてくれるのか、ここから自分が何を学ぶのかが分かればあなたのゴルフは別次元のものになるだろう。

次回に続く

Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=トータルゴルフフィットネス


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吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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