曲がらない球を打つ!クラブを使わない自宅練習法【おうちでゴルフレッスン】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム87回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

体と腕のシンクロができれば球は曲がらない

自宅で練習しようと思っている人も多いだろう。しかし、室内での素振りはスペースの問題があるし、ただの素振りでは単調で飽きてしまう。

そこで、今回は特にスライスが出てしまう人や、方向性が定まらない人向けに、自宅でクラブを使わずにできる練習方法をご紹介したい。

球が曲がってしまう人は、いわゆる「手打ち」の状態にある。手打ちの定義は、腕や手を振って体の動きとバラバラになってしまう、「体と腕のシンクロ」が崩れている状態をいう。本来、腕や手は主導的に動くべきではないが、人間の本能として器用な腕や手を使ってしまう。そのため、腕が体の正面を外れてしまい、クラブが振り遅れたり、過剰に腕を振り戻したりして、その時々のタイミングによって右にも左にもボールが曲がる。スイング中、「主」として動くのは体、「従」は腕というプログラムを体に覚えこませることができれば、ボールの曲がりは激減する。この「体と腕のシンクロ」を身につけるのに適した、クラブを持たなくてもできる練習ドリルを2つ紹介しよう。

1.胸と両肘の3点でできた空間をキープする

まず、1つめの練習はバレーボールより少し小さいゴムボールを用意する。ボールがなければ、同じような大きさのクッションや丸めたバスタオルでもよい。

用意できたら、クラブを持たずにアドレスの姿勢をとり、胸と両肘の3点でボールやタオルなどを挟んでスイングしてほしい。

振り幅はバックスイングはトップまで、フィニッシュはフォロースルーで右腕が地面と平行になるくらいまででいい。ボールが落ちたりずれたりしなければ、両腕と胸の形を維持し、体と腕がシンクロしてスイングをしている状態だ。慣れてきたら短い棒や、練習用の短いクラブを持ってスイングしてみるといいだろう。

楽に動かそうとして腕を使って振ると、ボールは落ちてしまうはずだ。3点の空間を変えないように体の動きを意識してスイングすると、ずいぶん窮屈な感じがするに違いない。この窮屈な感じこそが「体と腕のシンクロ」ができている状態なのだ。

2.「前ならえ」の間隔を変えずに腕を振る

もう1つの練習は、両手・両腕の間隔を変えずにスイングをする練習だ。

これはいたって簡単で、わきを軽く締めて両腕を伸ばし、「前ならえ」の姿勢を取る。腕は前ならえの状態をキープするためにやや硬くして、だらりとさせない。そして、その状態をキープしたままスイングを繰り返すのだ。

気をつけてほしいのは、腕の力でスイングしようとしないこと。胸や背中などを意識して体の大きな部分を動かし、それにつられて腕が振られるようにする。最初はゆっくり行い、慣れてきたら普段のスイングと同じスピードで行ってみよう。この時に両手、両腕の間隔が変わらないように、鏡で確認しながら行うと良いだろう。非常にシンプルな練習だが、速いスピードで両手・両腕の間隔をまったく変えずにスイングすることは難しく感じるはずだ。

この2つの練習をすると、「体と腕のシンクロ」がどのようなものか頭と体で理解できるだろう。

人によっては、まるでロボットのようなぎこちなく感じるかもしれない。ゴルフスイングはそもそも人間にとって不自然な動作だ。腕を振るという人間が本能的に行う動作は、むしろスイングを不安定にしてしまうということを、この練習から学んでほしい。

最初の練習法で胸の前にできる3点の空間をキープするイメージを身につけ、「前ならえ」のトレーニングで体全体を使って腕を振る感覚を養う。それぞれの動きを確認ながら交互に練習を続けると、体全体を使ったスイングが身につくはずだ。

Text=吉田洋一郎 Photograph= 松川 忍  Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ

吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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