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2026.05.03

世界中のクリエイターとつながる、ロンドン発の会員制クラブ「Soho House Tokyo」に潜入

会員制とは仕事場でもない、家庭でもない、もうひとつの寛げる拠点であり、サードプレイスなのだ。そんな新たな居場所を求めて、今回は会員制クラブ「Soho House Tokyo」の扉を開く──。【特集 会員制への誘い】

「Soho House Tokyo」の扉
2026年4月6日、東京・青山に開業した「Soho House Tokyo」。世界80以上の都市に展開するグローバルな会員制クラブ「Soho House」の最新ハウスだ。

「Soho House」が提供するもうひとつの家

メンバーシップクラブ「Soho House」は、1995年にロンドン・ソーホー地区で誕生。その思想はやがてニューヨークやロサンゼルス、パリ、香港へと広がり、現在では世界80以上の都市に展開するグローバルなコミュニティへと成長を続けている。そして2026年4月、ついに東京にも50番目のハウスが誕生した。

入会条件は、“クリエイティヴコミュニティの一員”であること。「Soho House」には、映画監督やファッションデザイナー、アーティストなど多種多様な分野のクリエイターが集い、「Home Away From Home」──すなわち、家のように寛げる居場所を提供する。

「Soho House」は、創業者であるニック・ジョーンズ氏がクリエイターのための集いの場としてスタートした。英国には古くからメンバーシップ制の「ジェントルマンズクラブ」が存在するが、その多くは格式が高く、クリエイティヴ業界の若い才能が気軽に集まれる場所ではなかった。そこで、より自由でカジュアルなコミュニティの拠点として「クリエイターが自分らしく過ごせるクラブ」を構想したことが始まりである。

「私たちが提供しているのは、誰もが安心して過ごせる場所です。それはホテルでもレストランでもなく、メンバーにとっての“もうひとつの家”。肩の力を抜き、自然体でいられる空間があれば、そこで人と人が出会い、会話が生まれ、新しいクリエイションへとつながっていくのです」と語るのは現CEOのアンドリュー・カーニー氏だ。

「Soho House Tokyo」
Andrew Carnie
英マンチェスター出身。2019年に運営会社であるSoho House & Coに入社。チーフ・コマーシャル・オフィサー、プレジデントを経て、2022年CEOに就任。”もうひとつの家”の実現に情熱を注ぐ。英国の慈善団体Varietyの理事長も務める。

世界各地にある「Soho House」は、旧銀行ビルや工場跡地、歴史的邸宅やファーム、ワイナリー、さらには海辺のビーチハウスにいたるまでユニークなロケーションに展開。ラウンジやレストラン、バーをはじめプール、ウェルネススタジオ、プライベートシネマなど望むものはほとんど揃う。

そんな「Soho House」が目指しているのは、単なる社交場ではない。朝はコーヒーを片手に思考を巡らせ、日中は本を読んだり、ジムやプールで身体を動かす。夜はカクテルを飲みながら会話を交わし、多彩なイベントに参加する。メンバーは世界中のハウスを移動しながら働き、食べて、寛ぎ、遊ぶ。「Soho House」というひとつの場所で一日を完結する──それは新しいライフスタイルの提案なのだ。

メンバーになるには、クリエイティヴコミュニティの一員であることを前提に、既存メンバーからの推薦と運営チームによる厳格な審査を通過する必要がある。ハウスルールは「ノースーツ、ノーネクタイ」。ここでは異なる才能を持つクリエイターたちが肩書や立場を脱ぎ捨て、国籍や年齢を超えてフラットに交わる。なお、18時以降は原則パソコンの使用も禁止だ。「Soho House」はシェアオフィスにあるようなワークスペースではなく、クリエイターが“インスピレーションを引きだす場所”。その一貫した哲学こそが、このクラブの輪郭を形づくる。

さらに各ハウスでは、トークセッションや新進気鋭のアーティストによるライヴ、未公開映画の上映会、最先端のウェルネスワークショップなど、さまざまなプログラムが年間をとおして繰り広げられる。メンバーは専用アプリを通じてイベントにアクセスし、その体験を通じて世界中の仲間とつながる。こうした“プライスレス”な出会いと体験こそが、世界中の才能を惹きつけてやまない理由なのだ。

東京・青山に誕生した創造の新たなハブ

2026年4月6日にベールを脱いだ「Soho House Tokyo」。青山通りに立つビルの高層階、4つのフロアに広がるハウスには、ラウンジやレストラン、バー、スタディルーム、ウェルネススタジオ、ルーフトッププール、そして宿泊もできる42室のゲストルームを完備する。

インテリアには日本の伝統美が息づき、インディゴで手染めした和紙を使った壁や、畳モチーフの天井、ヴィンテージ着物などのテキスタイルなどが空間を彩る。さらに日本に関連のあるアーティストによる個性豊かなアートピースがアクセントを加え、東京ならではのクリエイティヴな空気を演出している。

「青山はクリエイティヴなカフェやブティックが点在する裏路地と、世界的なファッションブランドが並ぶ商業的な大通りという、ふたつの顔を持つ街。その多面的な魅力が『Soho House』の精神にも通じます。今後、日本のメンバーがこのライフスタイルをどう受け入れ、日常に取り入れてくれるのか。それは私たちにとって大きなチャレンジであり、同時に楽しみでもあります」とカーニー氏。

都市を超えて才能が出会い、新しいアイデアが生まれる。「Soho House」の上陸が東京のカルチャーシーンにどんな化学反応をもたらすのか、今後の行方に注目したい。

Soho House Tokyo/ソーホーハウス東京

How to join
公式ホームページから申し込み。既存メンバー2名からの推薦と運営チームによる審査を経て入会が許される。メンバーシップは2種類。「Every House」は世界中のハウスにアクセス可能でイベントにも参加できる。年会費¥620,000。「Local House」は東京のハウスのみで年会費¥505,000。いずれもゲストは3名まで同伴可能。メンバーになると世界のハウスの客室に割引レートでの予約が可能に。

Information
住所:東京都港区南青山3-8-35
公式サイト:www.sohohouse.com

【特集 会員制への誘い】

この記事はGOETHE 2026年6月号「総力特集:会員制への誘い」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=今井未央

PHOTOGRAPH=長尾真志

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