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2023.10.02

イギリス人が言った英語、“kick backする”って悪さする的な意味ではないの!?

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第216回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは

Illustration=Norio

お金を渡す? 長期休みが取れた友人が言った英語にドキドキした件

日本語ペラペラの日本在住イギリス人と話していたら、長期の休みが取れたと喜んでいました。

あまりに嬉しそうだったので「どこかに行くのか?」と聞いてみたら、彼はこう答えました。

 I'm just going to kick back.

「ただキックバックをするだけ」

なんだかよくわかりませんが、キックバックという言葉は、すごく聞いたことがあります。「このクライアントを回してくれたら、その利益の10%を君にキックバックするよ」みたいなニュアンスで使われていた気がします。しかしせっかく取れた休みにそんな取引をするなんてどういうことかな、と思いました。

kick back=なにもしないでリラックスする

という意味でした。

語源には諸説ありますが、こういうフレーズから来たんじゃないかと、その人は説明してくれました。

Kick off your shoes, lie back, and relax.(靴を蹴っ飛ばして、寝っ転がって、リラックスしよう)

クタクタに疲れた日、家に帰るなり、靴を脱ぎ捨て、蹴っ飛ばしながら、ベッドやソファに飛び込む様子が目に浮かびます。

家で靴を脱がない欧米の文化といえども、やっぱりリラックスする時は脱ぎたいのでしょう。私も会社の席に座っている時は、こっそり靴を脱いでおり、隣の席の人によく「家じゃないんだから」と怒られていました。

そういえば飛行機のアナウンスなんかでは、こういうふうに言っている会社もあった気がします。

Thanks for watching the safety demonstration. Now kick back, relax and enjoy the flight.(安全デモンストレーションをご覧いただいきありがとうございました。さあ、ここからはゆっくりリラックスして、フライトを楽しんでください)

飛行機でこういうアナウンスが流れた時、よくわからないけど、シートを後ろに蹴って倒して、みたいなことかな、と勝手に思っていました。なのでいつも、エコノミークラスの椅子をギリギリまで倒して、後ろの人に嫌がられていました。まぁ、椅子を倒して「リラックス」しているので、意味的には遠からずですが。

「なにもしない」もキックバックだけど、「みんなで飲む」もキックバック!?

ちなみに、私が最初に思った裏取引的な意味ももちろんkick backにはちゃんとありますが、それは「Kick back 渡すもの」のかたちで、こういうふうに使うことが多いみたいです。

He was arrested after agreeing to kick back half his fees to the contractor.彼は、料金の半分を請負業者に渡すことに同意したあと、逮捕された)

日本語で使う「キックバック」は必ずしも違法ではない気がしますが、英語では違法行為だと、辞書によっては書かれています。

せっかくの休みなのに、このイギリス人は、なにもしないのか。もったいないな、そう思ったのですが、実はkickbackにはスラングで、何人かで集まって遊んだり飲んだりするという意味もあるそうです。Hangout(ハングアウト)よりも大人数、Party(パーティ)より少人数、ということで、その規模感は人によるのかもしれませんが、10人以下とかでしょうか。

こういうふうに使われるみたいです。

We’re having a kickback at Ken’s house.(ケンの家でみんなで飲むんだ)

おそらく彼は、「なにもしない」の意味でこの言葉を使ったのかと思うのですが、ちょっとニヤついていたので、もちかしたらこっちの意味かもしれませんし、「(彼女と)家で、ゆっくりする」という意味だったかもしれません。そこらへんの判断は、英語力0.5の私にはちょっと難しいところでした。なんにせよ、休みを楽しんで欲しいと思います。

連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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